小江戸板橋

まるごとミュージアムバス、出発進行!

※ 市場橋駐車場で待機中のバス

 

バスガイド、やってみたいと思いませんか。

そう、バスに乗車して、ガイドアナウンスを行うのです。

バスの走行ルートにそって、周辺の見所や穴場スポット、あなただけが知っているとっておきの話題を、マイクを通してお客様に伝える活動です。

 

11月5日、第16回目を数える「中央区まるごとミュージアム」が開催されました。

中央区内の各所で、伝統文化や現代アートなどの多彩な文化イベントが行われました。

各イベント会場を結ぶ交通手段としては、都営・東京メトロの各地下鉄、JR線、河川の船着場を結ぶ舟ルート、循環バス、江戸バス、メトロリンクバスなどがあります。

そして当日に限り無料の貸切バスが運行されました。そのバスに、観光特派員がバスガイドボランティアとして乗車するのです。

 

 まるごとミュージアムバス、出発進行!

 

バスガイドに採用された私は、まず、2023年の運行ルートを確認します。

マップの上に、主たる「通り」の名前を記入。

主たる「橋梁」の名前を記入。

「交差点」の名前を記入。

なるほど、今年はこんな感じになるのだな。

この沿線で、直に姿を見ることができる構造物はどこ。

関連する話題として話せることはなに。

その箇所に、丸印を付けてみます。

全行程の運行時間は、約80分。思った以上にタイトだな。

 

観光協会が事前に試乗会を行ってくれていますので、初めての運行コースでも心配いりません。

 

 まるごとミュージアムバス、出発進行!

 

運行ルートに沿って、ガイドプランをまとめます。

集め出すと、どうしても盛り沢山になってしまう。

まあ、いいか。

すべてをご披露できるはずなどありません。

3割くらいお話できれば成功かな。

あとはガイドの熱量を感じていただければ良しとします。

歩きながらのガイドならば、移動と案内に割り振る時間の調整ができますが、バスは想定以上に早く進行するから要注意です。

しかも交差点での待ち時間や、バス停での調整時間が発生します。

いかようにも活用できる時間でもあるのですが・・。

 

 まるごとミュージアムバス、出発進行!

※ ゆったり乗車できるノンステップバスの内部です。待機中にパチリ。

 

さあ、バスは定時に出発。

秋の一日を楽しみましょう。

途中から乗車されたファミリー。

バスに乗ることが大好きな男の子が「バス発車、バス発車!」と、すっかり運転手さんの気分でベビーカーを揺らします。

男の子に合わせて、私もマイクで「バス発車」。

おかあさんが、にっこりと笑顔を向けてくれました。

 

 まるごとミュージアムバス、出発進行!

※ ADの望月さんに、オレンジ色のスタッフジャンパーのモデルになっていただきました。

 

「バスは外堀通りを南に向かって進んでいます。

江戸時代には、江戸市民にとってとても重要な行政機関が置かれていました。

JR東京駅の八重洲口北口付近に北町奉行所。JR有楽町駅東側に南町奉行所です。

さて、問題です。

北町と南町の両方の町奉行に任ぜられた人物が一人だけいます。誰でしょうか。

大岡越前。いや違います。

答えは、「遠山の金さん」でおなじみの遠山左衛門尉景元です。

遠山景元は、3年間北町奉行を務めましたが、時の老中水野忠邦の「天保の改革」に反対し辞めさせられます。

しかし、水野忠邦失脚後に南町奉行に任じられるのです。」

 

『バス停で5分ほどの調整時間が発生』

 

「バス発車まで数分時間がある様です。

先ほど遠山金四郎の話をしました。それに関連したお話です。

遠山の金さんは、中村梅之助をはじめとして、高橋英樹、杉良太郎、松方弘樹など多くの名優によって演じられてきました。

クライマックスで金さんが、諸肌脱いで桜吹雪の入れ墨を見せ見得を切るパターンは幾つかあるのですが、このパターンはいかがでしょう。」

 

『北町奉行、遠山左衛門尉様、ご出座。』

『一同の者、おもてを上げい。』

~~~~~。

思わぬ拍手。

「ご乗車の皆様、ありがとうございました。」