あすなろ

八朔

八朔とは八月朔日の略で、旧暦の8月1日のことです。

現代の暦では8月下旬〜9月頃にあたり、古くから農家では初穂を恩人などに贈る風習や田の実の節句がありました。

また、室町時代の鎌倉では、鎌倉公方に刀や馬などを献上され、鎌倉公方からも献上者に対して御礼の品が下賜される儀礼が行われたそうです。

 八朔

<鎌倉>

さらに、豊臣秀吉により関八州を与えられた徳川家康の江戸入城の日が天正十八年(1590)八朔(8月1日)とされたことから江戸時代を通じて幕府と江戸市民の重要な祝日となりました。

江戸城の表では、御三家ほか諸大名、旗本が白帷子に長袴を着用して登城し、将軍と謁見して祝いを上げました。吉原においても遊女はみな武家社会の白帷子をイメージした白無垢を着て、花魁道中を行ったと伝わります。

 八朔

<江戸城・大手門>

このように、八朔の日は、時代が変わっても挨拶や贈り物を行う日とされてきました。現在でも京都では芸妓さんや舞妓さんたちが正装姿で、お茶屋やお師匠さんのところを挨拶回りします。

お世話になっている人に思いを寄せる大切な日ですね。

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