2024 厳しい都市環境下 彩り添える名残の「夾竹桃」
キョウチクトウはインド~中近東が原産とされるキョウチクトウ科キョウチクトウ属の低木もしくは小高木。 サルスベリ、ムクゲなどと共に、夏を代表する花木です。 乾燥、大気汚染、潮風に耐える強靭な性質を有し、病害虫の被害も少ないため、公園や庭園のみならず、海岸、幹線道路沿い、高速道路の分離帯など条件の厳しい場所の緑化に重宝されています。 広島では被爆焦土にいち早く咲いた花として原爆からの復興のシンボルとなり、広島市の花に指定されています。 和名は漢名「夾竹桃」の音読みで、葉や樹形が竹に、花色が桃に似ていることに因むとされます。 幹は株立ち状になり上部で枝分かれし、花期は7~9月頃で、その年伸びた枝先に径2~5cm程の小花が数輪~10数輪集まって咲きます。よく目にするのは桃色の一重咲きですが、紅、薄桃、黄白、白色の品種もあり、八重咲きも見られます。 結実は稀で繁殖は挿し木や取り木によることが多いとされます。 枝、花、葉と木全体に頭痛、嘔吐、下痢、意識障害などを引き起こす「オレアンドリン」等の致死性の有害物質を含むので注意が必要です。 連日酷暑が続く中、隅田川水系唯一の中州で、中央区佃と江東区越中島の境界にある、隅田川が永代橋下流の佃2丁目付近で東に分流した隅田川派川(晴海運河)相生橋下の中の島公園に植栽された紅白のキョウチクトウが、上流の永代橋を望む水辺空間に名残の彩りを添えています。