【ニューヨク・タイムズ】 大地で安らぐような心地よさ「日本橋酵素風呂」【日本橋小舟町】
入浴施設は紀元前から人々に親しまれてきた癒しと健康のレジャースポット。大都会で毎日を忙しく過ごしているみなさんにも、たまには大きな浴槽で体をのばしてゆっくりとお風呂に入ってほしい――。そんな思いで中央区の入浴に関する情報をお届けするニューヨク・タイムズは不定期発行のおふろ新聞です。
ニューヨクの多様性
江戸最初の銭湯は蒸し風呂であったと考えられています。湯を張った浴槽に浸かることだけでなく、心身を健やかに、そして清潔に保つために水や蒸気などに浴することはすべてニューヨク(入浴)です。
今回は湯でも水でも蒸気でもない酵素浴というニューヨクスタイルをご紹介します。
江戸時代の銭湯については前号をご参照ください。
【ニューヨク・タイムズ】 創業は文久三年! 江戸っ子銭湯 「金春湯(こんぱるゆ)」【銀座八丁目】(2022年6月21日付)
酵素浴とは
酵素浴とは電気やガスなどの熱源を使わず、酵素の自然発酵熱を利用した温浴のことです。
2017年に日本橋小舟町にオープンした日本橋酵素風呂に来ました。こちらは大都会の真ん中で酵素浴を体験できるサロンです。
日本橋酵素風呂(日本橋小舟町)
日本橋酵素風呂では、浴槽に米ぬかとパウダー状の吉野産のヒノキを混ぜ合わせたふわふわの寝床を作っています。そこに独自にブレンドした酵素を入れ、空気を含ませるように撹拌し、自然発酵を促します。やがて酵素の発酵熱により寝床の温度は65℃から80℃まで上昇します。
私たちは適温に調節されたこのふわふわの寝床に横たわり、体全体をやわらかく包まれながら酵素の温もりを体感することができます。
それでは中に入ってみましょう。
受付から酵素浴までの流れ
店内は自然光が入り、とても明るくてきれいです。初めてでも安心感があり、期待も高まります。
まずは1階で当日の体調などを質問票に記入します。
受付で料金を支払ったら、専用のバッグを受け取り、上の階にある浴室エリアへと移動します。
受付(1階)
バッグの中には、タオル、バスローブ、水1本が入っていました。このバスローブは更衣室とメイクルーム、浴室の間を移動するときのためのもので、酵素浴の際に着用するものではありません。
酵素浴の前には洗面台でメイクや日焼け止めなどを落としましょう。これから汗をかくので、適度に水分を摂ったら準備完了。スタッフの方の誘導でいよいよ浴室へ。
浴槽という名の寝床
こちらが浴槽です。米ぬかとヒノキのパウダーがたっぷりと敷き詰められていてふかふかです。まさに寝床。いや、ぬか床と呼ぶべきでしょうか。浸かるというよりも、よく漬かりそう。気分はお大根。
浴槽に入り、自らある程度埋もれたら、スタッフの方が全身を埋めてくれます。私は鼻と口以外はほとんど埋めてもらいました。あらかじめ髪はシャワーキャップでカバーし、耳にはヒノキパウダーが入り込まないようにメイクルームにあった綿を詰めておきました。頭部まで埋まりたい方はご利用ください。
それでは10分間の酵素浴のスタートです。ふわふわとした感触が気持ちよく、しあわせな寝心地。ヒノキのほのかな香りにも癒されます。体が温まるとすぐに発汗が始まりました。
浴槽の中では深いリラクゼーションに包まれます。
温浴中もスタッフの方が声をかけてくれるので安心です。このときに熱さや重さなどを好みの酵素加減に調節してもらえます。私は体にかける量を増やしてもらい、さらに顔に乗せていた冷たいタオルを交換してもらって、5分間の延長をお願いしました。
合計15分で終了。大量に汗をかきました。浴槽から上がったら、体に付着している米ぬかとヒノキパウダーを払い落としてから、浴室内のシャワーブースで洗い流します。シャンプーとリンスが用意されているので髪を洗うこともできます。
シャンプーはあってもボディソープがないのには理由があります。米ぬかの成分を配合したスキンケア製品があるように、米ぬかには美容によいとされている栄養素が含まれています。ここではやさしく洗い流すだけにして美肌効果に期待します。シャワーの後はたっぷりと水分を摂りましょう。
浴後感想文
浴後はなかなか汗が止まらず、着替える前にしばらく休憩しました。体が芯から温まり、全身の血行がよくなったことを実感しました。持ち時間は入店から75分。その時間まではゆっくりすることができます。
それにしても実に気分爽快です。デトックス&リラックス。たくさん汗をかくと気分がすっきりして体も軽く感じます。残暑を乗り切る元気が湧いてきました。
日本橋酵素風呂は手ぶらでお出かけできるサロンです。空きがあれば当日の受付も可能なので、予約サイトでお確かめください。
小伝馬町駅や人形町駅からも徒歩圏内。日本橋界隈のグルメ探訪系まち歩きと組み合わせたひと味違うフロハイリング(taking a bath)をお愉しみいただけます。
店舗情報
バックナンバーのご案内|NYT
【ニューヨク・タイムズ】 創業は文久三年! 江戸っ子銭湯 「金春湯(こんぱるゆ)」【銀座八丁目】(2022年6月21日付)
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【ニューヨク・タイムズ】 東京銭湯で湯めぐりをしよう (2019年7月12日付)
ちょっとニューヨク・タイムズ ―銭湯と愉しむ まち歩き― (2018年10月8日付)
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