小江戸板橋

天空に建つ重厚な職人 ~タワークレーンの雄姿~

 

空を見上げてごらん。

建設中の高層ビルの、一番高いところ。

巨大なクレーンが稼働しているのが見えるでしょう。

建設に必要な資材を、ぐんぐん上層部に引き上げる力強い動き。

あのカッコいい姿。

ずーっと見続けることができるよね。

 

 天空に建つ重厚な職人 ~タワークレーンの雄姿~

 

いま、東京駅周辺や日本橋界隈でも、大規模な再開発プロジェクトが進行している。

空に向けて伸びる工事現場の先端に建つのが、「タワークレーン」

重量物を吊り上げ、移動させる作業の主力である。

 

タワークレーンは、クレーン自体が工事現場を上に登る。

面積が限られた場所でも、効率よく上昇し仕事をこなしていく。

登り方は2種類ある。

マスト(支柱)を継ぎ足して登る「マストクライミング方式」と、工事中の床にクレーンを固定してマストを引き上げながら台座ごと登る「フロアークライミング方式」である。

 

 天空に建つ重厚な職人 ~タワークレーンの雄姿~

 

砂場でクレーン車を動かす子供たちは、目を輝かせて作業に向かっていた。

砂を集め、小山を作り、その上にクレーンを固定。

周辺の砂を集め、さらに高い小山を作り、クレーン車を移動させ固定する。

建物をよじ登るタワークレーンの原理を、子供たちは遊びを通して知っていた。

みんなの瞳は、キラキラしている。

 

 天空に建つ重厚な職人 ~タワークレーンの雄姿~

 

クレーンの突き出した腕の部分を「ジブ」という。

そのジブの色には、塗り方に決まりがあるんだけど、分かるかな。

先端から、黄赤と白に交互7等分に塗色する。

航空法で、航空機から視認しやすいように塗装が定められているのだ。

 

黄赤(きあか)色って?

赤と黄色の中間色。

今朝食べた人参の鮮やかな色。

 

 天空に建つ重厚な職人 ~タワークレーンの雄姿~

 

いま、一つの高層ビルを建設することは、そこに新しい街を作り出すくらいの規模になっている。

商店街を設け、公共施設をまとめ、防災公園を配置し、都市計画道路を走らせる。

高度な街づくり。

 

限られた土地の合理的な高度利用を進め、都市機能の更新を図るプロジェクト。

細分化された土地や木造建築が密集する状況に対応し、防災計画を進める。

東京の都市としての国際競争力を再生させるための意義も併せ持つ。

 

 天空に建つ重厚な職人 ~タワークレーンの雄姿~

 

就業時間が終わり、作業ゲートが開く。

作業服の人たちが、一斉に持ち場を移動してくる。

話す言葉は、日本語だけでない。

凄いな。

インターナショナルな職場。