三重テラスイベント『真田氏と伊賀・甲賀忍術』
真田家に伝わった元はやはり伊賀・甲賀が影響?

真田十勇士の中に「猿飛佐助」「霧隠才蔵」などの忍者がいたという映画やドラマを見ていましたので、真田幸村配下の真田忍者は当然存在したと思っていました。
真田家は武田信玄の家臣です。武田家にも忍者がいたということはあまり知られていません。
それが伊賀・甲賀忍術とどう繋がっていたのか、武田・真田の忍者に影響したのということにとっても興味がありました。
この講演でそれを知ることができると思って、ワクワク感をもって聴講しました。
本日の講演のYouTubeです。是非ご覧ください
https://www.youtube.com/watch?v=FCxrZ9WtXwE
『甲州流兵法と伊賀・甲賀忍術』
三重大学人文学部 山田雄司教授

兵法書の中にはさまざまな忍術が記されていますが、兵法の根本となるのは甲州流兵法です。
甲賀流兵法には伊賀・甲賀の忍術が影響を与えたという痕跡がいくつも残っています。
さらには真田家に伝わっていった過程を考えます。
山田雄司
京都大学文学部卒・筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科修了。
著書『忍者の歴史』KADOKAWA『忍者の精神』KADOKAWA
『忍者はすごかった』幻冬舎『忍者学大全』東京大学出版会監修
世界各国で忍者の講演を行っていらっしゃいます。
甲州流兵法と伊賀・甲賀忍術つながりとは!
兵法は国家護持の大道
甲州流・北条流・山鹿流・越後流・長沼流がある。
甲州流
〇武田氏の旧臣小幡勘兵衛景憲(1572-1663)を祖とする。
・武田信玄・山本勘助らの流儀を受け継ぐ。
・武田氏滅亡後、徳川家康が甲信領国を略定
・信州系の多くは上杉家へ、甲州系は徳川家の幕下に入り、井伊家に配属
・甲州流は徳川御家流として栄える。
〇武田信玄に仕えた服部治部右衛門氏信が自ら会得した忍びの術や心得、他国の忍達た
ちから得た知識をもとに、秘伝として所持していたものを提供。
・『軍法侍用集』をおおいに参照して『万川集海』を執筆。
・伊賀国山田郡喰代村 帯刀免許状所持
〇甲州と伊賀・甲賀をつなぐもの
・『竊奸秘伝書』
・『多田治郎左ヱ門・高田郷左ヱ門 秘伝書』
・『正忍記』名取三十郎正澄
・『冨治林家由緒書』冨治林長門守保豊
今川義元に仕え、駿府に在住する。駿府在住している武田信玄家臣山本勘助に秘
伝を伝授したとある。
『真田忍者の末裔』山田雄司教授監修

会場で早速購入し、一気に本を読破してしまいました。
長野・群馬に、真田忍者の10名の末裔を訪ねての取材インタビュー記事が興味深かったです。
忍びは伊賀・甲賀でけでなく、長野・群馬にもいたことが立証されていました。
もちろん、本日の講師伊予久松凬氏のお名前もありました。
末裔の方の話だけではなく、代々伝わってきた古文書・言葉・昔話が伝えられていました。
『真田忍者は居たのか?
真田忍者研究会 伊与久松凬氏

群馬県の吾妻地方で真田氏に仕えた地侍の十四代末裔であり、家伝の兵法武芸には、伊賀・甲賀の忍術に酷似している内容が見られます。
講師が幼少の頃、祖母や師より学んだ独特の伝承や修業などを実技を交えて紹介し、真田忍者の実在に迫ります。
伊与久松凬(いよくまつかぜ)
真田忍者研究会
幼い頃より祖母と法印(修験者)より真田家に仕えた忍兵の技と心を教えられる。長じて後、三重大学の忍者研究および甲賀伴党川上仁一師範との出会いから、自家の伝承を再認識し、真田忍者研究会を開設。真田忍者の末裔達と連絡を取りつつ、次代に忍びの知恵を伝えていらっしゃいます。
長野市諏訪郡富士見町「錬誠館」墨田区でも武道指導をしておられます。
竹筒を頭に乗せて修行するなどをを幼少から祖母から伝授!

群馬の出身の曾祖父の素、武芸十八般を仕込まれた祖母に修行を仕込まれた伊与久氏
『菊(規矩)の行』は頭の上に水の入った竹筒や器を載せながら、立ったり、座ったり、寝転んだりしてするばかりか4mの樹に登ったりする。
始めは水ですが、ぬるま湯・最後は熱いお茶になったそうです。
熱いお茶の竹筒を頭に乗せたまま武器を使ったり、舞を踊ったりという修行をさせられた。
この修行は、身に撚りをかけ、身体の真ん中の軸の感覚を作るため!
今でも木登りをやってみたところ、できたそうです。
凄すぎますね。
やはり、幼少の頃からの修行の賜物ですね。
貴重な『甲賀軍術古伝真田流忍兵之巻』を見せていただきました。

伊予久氏に伝わる松城真田家に伝わった忍術甲陽流の正式名称は『伊賀流甲賀流竊奸(しのび)秘伝』であり、その由緒書には伊賀甲賀の忍びの技が甲斐に伝わり云々。
『甲陽軍術古伝真田流忍兵之巻』には事細かに描写されているそうです。
①伊賀の用間・甲賀の攻城の法が伝わったという記述
②伝書中に「忍びひみつの印の事」という箇条
③(武田)家中に伊賀甲賀の者甚だ多し
④伝承者の中に真田信尹公の碑「幸孝」があり、当家伝承と一致
⑤伝承者から小幡官兵衛の名を省く。委細は知れずとある(当家に口伝)
⑥伝書は望月氏に関係しているらしい。
⑦忍兵は奇術也との条文
他、数々の符号、当家との一致を確認
伊賀市の特産品をいただきました。
木村石鹸・伊賀米・伊賀のくみひも

①『12/+=』木村石鹼工業株式会社
何の整髪料もスタイリング剤もなしにまとまるシャンプー・コンディショナー
ドライヤーやヘアアイロンの熱ダメージから髪を守る効果
三重県伊賀市治田山梨3209-12 ☎072-994-7333 https://www.kimurasoap.co.jp/
②『伊賀米』JAいがふるさと伊賀米センター
澄んだ水と寒暖の差が厳しい盆地特有の気候に恵まれて育った伊賀米は噛めば嚙むほ
ど味わいが増し、味・香り・粘り・つやと4拍子揃った美味しいお米
三重市伊賀市小田町1380-3 ☎・FAX0595-21-3159 https://www.jaiga.or.jp/
③『伊賀のくみひも』green life project
伊賀の伝統的工芸品の組みひもは、絹や綿を使用し、色とりどりに染められた色の
1本1本が光に映え、複雑な編み方でくみ上げる模様や色合いが綺麗
三重県伊賀市与野9554 ☎0595-39-1133
伊賀市は忍者が有名ですが、松尾芭蕉生誕の地でも有名です。
ぜひ、伊賀にいらしてください!
①忍者をもっと知ろう!
●忍者体験できる施設『伊賀流忍者博物館』
②松尾芭蕉生誕地
●『松芭翁記念館』『蓑虫庵』『芭蕉生家』
忍者にはロマンを感じます。世界中の人たちの周知度も高く、海外に行った時、アメリカ人の高校生に「忍者が好きだ」と日本のイメージが侍と肩を並べるくらいに人気があることに驚きました。
伊与久氏のおっしゃるこだわりの呼び名、忍びの者という響きも好きです。
今日のお話では、忍者のことをもっと深く知りたいという想いを強くもちました。
今年12月も三重テラスの忍者後援会を楽しみにしています。
(三重大学人文学部山田雄司教授にブログ記載全般についての許可をいただいております。)