五月雨ジョージ

路地裏のお箸屋さん「箸処 手もち屋」

靖国通りと江戸通りが交差する浅草橋交差点。その東側の路地裏にひっそりと佇むビルの1階に「箸処 手もち屋」さんはあります。

このお店を経営しているのは、昭和27年創業の株式会社川上商店です。川上商店さんは、唐木箸製造卸・オリジナル箸製造を生業としている老舗です。

 今回は運よく、川上孝幸社長にお話を伺うことができました。

 路地裏のお箸屋さん「箸処 手もち屋」

▲「箸処 手もち屋」ショールーム

 

「箸処 手もち屋」は、20年ほど前にオープンしたショールーム兼小売店舗で、ここには常時500~600点の商品が展示されているそうです。そして、このショールームの奥に工房があり、箸製品が作られています。

ショールームに展示されている製品をじっくり見せていただくと、材料の違いや、カラフルな塗りや装飾、そして素材にひねりやおぼろ彫りなどデザイン的に楽しいものなど、箸を選ぶポイントにもいろいろな視点があるのがわかります。変わったところでは、料理に合わせた「豆腐箸」「スパゲティ箸」「菓子箸」「サラダ箸」なんてのがありました。こうなると、私としては一通りそろえたくなっちゃいますね。

箸にする木材は、唐木三大銘木と言われる「黒檀・紫檀・鉄刀木」をはじめ、樺の積層材や、楓、桜、桑など、こちらのお店では10種類ほどを扱っているそうです。

川上社長にオススメを伺うと、「六角箸」「八角箸」とのことでした。六角形は鉛筆でもおなじみの形なので、手にしっくりくるでしょうね。

また、手もち屋さんでは、「箸塗り直しシステム」を導入しているそうです。長年愛用していて剥げてしまった箸の塗りを再び施してくれるというありがたいシステムです。

 路地裏のお箸屋さん「箸処 手もち屋」

▲(左から)用途別箸、八角箸、塗り箸・けずり箸

 

箸は中国から渡ってきたとされる道具です。中国では、毒見に銀製の箸を用いたり、料理を取り分けたり、口に運んだりする食事のわき役に過ぎません。

 しかし、日本人にとっては、「一膳の箸」が家族の食卓の思い出となり、料理の味を左右し、美味しく楽しい時間を演出する“魔法のスティック”となり、時には人生の“相棒”になったりもします。まさに日本の食文化を支えてきた大切な道具なのです。

 あっ、そうそう。世界の約30%が箸を使っていると言いますが、自分専用の箸を持つのは日本人だけだそうです。

 自分のライフスタイルに合わせて使いやすい箸を選びたいものですね。また、新婚さんやご両親、大切な方へのプレゼントとしても喜ばれると思います。

さて、今回私が購入したのは「桑のけずり箸」「豆腐箸」の2膳です。川上商店さんは卸問屋ということもあり、うれしいことに定価より安くして頂けるようです。

 路地裏のお箸屋さん「箸処 手もち屋」

▲購入した2膳。豆腐箸(左)と桑のけずり箸。

 

皆さんも「箸処 手もち屋」さんで、自分に合った自分だけの素敵な箸を見つけませんか? きっと今晩の料理の味がいつもよりおいしく感じるかもしれませんよ。

店舗情報

店舗情報 路地裏のお箸屋さん「箸処 手もち屋」

店 名 :箸処 手もち屋(株式会社 川上商店)

住 所 :東京都中央区日本橋馬喰町1-9-8

電 話 :03-3661-7066

営業時間:月~金 9:00~17:00

定休日 :土・日・祝日

http://www.kawakamishoten.co.jp