ちょっと気になる、料亭の建物
2025年1月15日(水)に発表された、第172回(2024年度下半期)芥川賞・直木賞。芥川賞に安堂ホセ氏の「DTOPIA」と鈴木結生氏の「ゲーテはすべてを言った」が、直木賞には伊与原新氏の「藍を継ぐ海」が選ばれました。同日、選考会が開かれたのは、今回も老舗高級料亭「新喜楽(写真上: 中央区築地4丁目)」。1955年以降毎年、1階が芥川賞、2階が直木賞の選考会場として使われています。
「新喜楽」の建物を設計したのは、近代的な数寄屋造で知られる吉田五十八氏。第四期歌舞伎座の設計者でもあります(現在の第五期歌舞伎座(写真上)は、第四期の外観を極力再現)。関東大震災後に建てられ、その後たびたび増改築されているそうですが、端正な佇まいにお店の初志のひとつとされる「無言のおもてなし」が感じられます。
ちなみに、「新喜楽」と「金田中(写真上: 中央区銀座7丁目)」の2軒を「日本二大料理屋」、この2軒に「吉兆」を加えた3軒で「日本三大料亭」といわれているようです。私にとってハードルが高く、どのお店も中に入ったことはありませんが、その最高級のお料理やサービスはもちろん、建物の中身もいつか味わいたいものです。