2025 自然が生み出す端正な造形美 "乙女椿"


オトメツバキ(乙女椿)はツバキ科ツバキ属ユキツバキ系の園芸品種で、数あるツバキの中でも人気品種の一つとされます。 所謂「千重(センエ)咲き」の中輪種で、花色は淡桃色が一般的で、ツバキの特徴である花の中心にある筒状の黄色い雄しべの集まりが覆い隠され見えず、丸い花弁が整然と重なり合い、自然が生み出す完璧な造形美とも称され、一見 "ソープカービング" かと見間違う程、端正で魅了される花形です。 淡桃色の花色に因み、別名「淡乙女(ウスオトメ)」。 美しい花姿から、公園や庭園、生垣などに広く植栽されています。花期は一般的に遅咲きで、2~5月とされます。 名の由来に関しては、①めったに実を結ばないことから婚姻前の乙女に見立てたとの説、②花弁がフリル状に幾重にも重なるフェミニンな印象の花形に可憐な乙女の姿を重ねたとする説、③江戸時代、他藩に出回らないよう門外不出とされたことから命名された「お止め椿」が転じたとする説等、諸説あるようです。 浜離宮恩賜庭園 花木園内に植栽されている乙女椿が、麗かな春の光を浴び咲き揃い始めています。