浜ちゃん

「中央区とのご縁:べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜②」
~浜離宮恩賜庭園:徳川将軍家の鷹狩場~
(現在、中央区在住の子どもと保護者は入場無料です)

NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」第15話では、徳川家基が鷹狩の最中に亡くなりました。江戸時代初期、中央区にある「浜離宮恩賜庭園」は徳川将軍家の鷹狩場でした。

“べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜” 第15話「死を呼ぶ手袋」

413()放映の第15話では、第10代将軍・徳川家治(演:眞島秀和)の嫡男・家基(演:奥智哉)が鷹狩りに出かけ、獲物を取り逃がし、手袋越しにいつものクセで親指の爪をかんだ後、突然倒れ亡くなりました。

家基は、家康の孫の孫の孫(昆孫)、6代後の子孫で、将来の第11代将軍として期待されていました。2000年に放映された39作目のNHK大河ドラマ「葵 徳川三代」で、津川雅彦が家康を演じ、短気な面がうかがえる「爪をかむ」という仕草を取り入れ、新たな家康像を浮かびあがらせました。今回のドラマの演出は、この「爪をかむ」というクセが、家康から家基に遺伝した、ということなのかもしれませんね。

浜離宮恩賜庭園:徳川将軍家の鷹狩場

浜離宮恩賜庭園:徳川将軍家の鷹狩場 「中央区とのご縁:べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜②」
~浜離宮恩賜庭園:徳川将軍家の鷹狩場~
(現在、中央区在住の子どもと保護者は入場無料です)

ドラマ終了後に、浜離宮恩賜庭園(以下、浜離宮)は、徳川将軍家の鷹狩場であったことが紹介されています。

浜離宮は、いくつもの時代を経て、江戸の姿を今に伝える庭園であり、寛永年間(16241644年)頃には将軍家の鷹狩場でした。

寛永9年(1632年)に書かれたとされる、初期の江戸図を代表する絵図「武州豊嶋郡江戸庄図(ぶしゅうとしまごおりえどのしょうず)」(写真)は、現在知られている限りで、最も古く、内容が正確だと言われている江戸図で、初期の江戸の町を知ることができます。

絵図の左中段に広大な原野が描かれています。右上の江戸城、左上の増上寺との位置関係からすると、ここが浜離宮の場所と推察され、寛永期には原野で将軍家による鷹狩がなされていたのでしょう。

(画像出典:「武州豊嶋郡江戸庄図」東京都立図書館)

「甲府殿浜屋敷」「海手屋敷」、将軍家別邸「浜御殿」

「甲府殿浜屋敷」「海手屋敷」、将軍家別邸「浜御殿」 「中央区とのご縁:べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜②」
~浜離宮恩賜庭園:徳川将軍家の鷹狩場~
(現在、中央区在住の子どもと保護者は入場無料です)

承応3年(1654年)、甲府藩主の松平綱重が、兄の4代将軍徳川家綱から現在の浜離宮の場所に邸宅を与えられ、江戸湾の一部を埋め立てて下屋敷を建てました。ここは、「甲府殿浜屋敷」「海手屋敷」と呼ばれました(写真)。さらに綱重の子、綱豊が6代将軍家宣になってからは「浜御殿(はまごてん)」と称される将軍家の別邸になりました。

家基は、安永8年(1779年)、鷹狩りの帰りに立ち寄った品川の東海寺で突然体の不調を訴え、江戸城に運ばれ死去したとされています。その時代には、浜離宮はすでに屋敷として整備されており原野ではなかったため、ドラマの舞台は浜離宮以外の鷹狩場だったのでしょう。

(画像出典:浜離宮庭園内案内板)

浜離宮恩賜庭園:鷹の御茶屋、鴨場

浜離宮恩賜庭園:鷹の御茶屋、鴨場 「中央区とのご縁:べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜②」
~浜離宮恩賜庭園:徳川将軍家の鷹狩場~
(現在、中央区在住の子どもと保護者は入場無料です)

浜離宮では、戦災で焼失した「鷹の御茶屋」(写真上段)が平成30年に復旧され、見学することができます。将軍が鷹狩の合間に野支度のまま立ち寄れるように広い土間があり、建物の裏には、鷹が待機するための「鷹部屋」があります。

また、庭園内には鷹狩の獲物となる鳥をおびき寄せるために造られた、庚申堂鴨場と新銭座鴨場が残っています(写真下段)。「鴨場」は、江戸時代に歴代の将軍も嗜んだ鷹狩や鴨猟という武家文化を伝える施設で、江戸時代から明治時代まで社交や外交の場として利用されてきました。現在「鴨場」は、宮内庁の新浜鴨場と埼玉鴨場などにしか残っておらず、一般に通常公開しているのは浜離宮の鴨場のみです。

今でも浜離宮では、毎年お正月に、伝統ある鷹狩の技「放鷹術(ほうようじゅつ)」が披露されています。

「親子で親しむ浜離宮」開催中(中央区在住の子どもと保護者は入場無料です)

現在、浜離宮では、中央区在住の中学生までの子どもと、子ども1人につき保護者(同伴者)2人まで入園料無料です。入園には、中央区から交付される「乳幼児医療証」または「子ども医療証」を入園窓口で提示する必要があります。

詳細は、以下の中央区ホームページをご覧ください。

https://www.city.chuo.lg.jp/a0020/kosodate/kosodate/shien/asobu/oyakohamarikyu.html

【参考資料・出典、過去ブログ】(ホームページ含む)

参考資料・出典:東京都公園協会、浜離宮恩賜庭園、東京都、他(過去ブログに記載)

●過去ブログ:

https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=5849