浜ちゃん

「中央区とのご縁:べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜①」
~伝馬町牢屋敷:平賀源内~

NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」第16話で、平賀源内は、人を殺めたとして捕らえられ獄死しました。その場所は、平賀源内が最期を迎えた「伝馬町牢屋敷」でした。

中央区とのご縁:べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜

タイトル画像の人物は、NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」の主人公「蔦屋重三郎」(演:横浜流星)です。(画像出典:「箱入娘面屋人魚」東京都立図書館)

「浜ちゃん」は現在、「渋沢栄一」と中央区とのご縁について、シリーズものとして情報発信させて頂いておりますが、今年のNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」も、蔦重のお店「耕書堂」をはじめ、中央区とのご縁はとても深いのです。中央区の地図をベースに観光スポット(点)の情報を繋ぎ合わせて、「線」や「面」の情報として「中央区とのご縁」と称し、シリーズものとして、ドラマとご縁のある中央区の観光スポットを情報発信させて頂きます。

どうぞよろしくお願いします!

“べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜” 第16話「さらば源内、見立は蓬莱(ほうらい)」

420()放映の第16話では、平賀源内(演:安田顕)が、濡れ衣によって入牢させられ、失意のうちに非業の死、獄死に至るという衝撃の展開で終わりました。

平賀源内が精神的に不安定になった理由とは? 神山検校

平賀源内が精神的に不安定になった理由とは? 神山検校 「中央区とのご縁:べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜①」
~伝馬町牢屋敷:平賀源内~

平賀源内は引っ越しが好きで生涯に十数回転居しましたが、神山検校の旧宅に移って半年後に、精神的に不安定になり殺人に及んだといわれています。

神山検校は、あくどい金貸しで悪事を働いて野垂れ死んだが、その後、毎夜、自分の屋敷に幽霊となって現れ、「ここにあったのに、見当たらない。見当たらない。」と新たな住人に金のありかを尋ねる、とのもっぱらの噂でした。それで検校の旧宅は人が住まなくなり、空き家になってから久しく売れず、売り値が安くなりました。これを知った源内は、人が諫めるのを聞かず、家を買って住み始めたということです。

「べらぼう」第16話で、「神山検校」がキーワードとして出てきており、また、平賀源内がエレキテルの図面が見当たらず探しているシーンがありましたが、ドラマはこの逸話がもとになっているのかもしれませんね。

(画像出典:「平賀源内」さぬき市)

黄表紙出版に進出、”見立蓬莱”

黄表紙出版に進出、”見立蓬莱” 「中央区とのご縁:べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜①」
~伝馬町牢屋敷:平賀源内~

「べらぼう」第16話の最後に、芝居の舞台上に、短冊が飾られた桜の木が設置されているシーンがありました。これは、「伊達模様 見立蓬莱」(第16話のタイトルですね)という黄表紙の巻末に載っている広告で、芝居の舞台を描き、蔦重自身が幕引き姿で登場しています。

安永9年(1780年)は、蔦重がはじめて一流の布陣で江戸出版界に進出した記念すべき年であり、この年に発売した黄表紙の宣伝短冊が桜の木に華やかに飾ってあるという演出でした。一挙に10点の黄表紙を刊行することは、蔦重自身にとっても画期的なことであり、黄表紙出版に乗り出した蔦重の気概を反映したものです。

この時、車の両輪として蔦重を支えてくれたのが、朋誠堂喜三二(演:尾美としのり)と北尾重政(演:橋本淳)でした。

(画像出典:「伊達模様 見立蓬莱」国立国会図書館)

伝馬町牢屋敷:平賀源内、終焉の地

伝馬町牢屋敷:平賀源内、終焉の地 「中央区とのご縁:べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜①」
~伝馬町牢屋敷:平賀源内~

伝馬町牢屋敷は、現在の地下鉄日比谷線/小伝馬町駅の真上にある、十思公園、十思スクエア、大安楽寺、身延別院などを含む地域に置かれていました。

土手と堀で囲まれた、面積が2,600坪を超える幕府最大規模の牢屋敷であり、サッカーフィールドが約2,000坪ですので、サッカーフィールドよりも大きい広大な敷地でした。

安政の大獄の際には、吉田松陰、橋本佐内ら多くの志士たちが斬首の刑に処せられており、十思公園内には「吉田松陰終焉之地」の石碑があります。

十思スクエア別館1階には「小伝馬町牢屋敷展示館」があり、牢屋敷の模型が展示されており(写真上段)、入口の外壁沿いには発掘された牢屋敷の石垣の一部が移築復元されています(写真下段)。また、十思公園の目の前にある大安楽寺には、ここに処刑場があったことを伝える碑がたっています。

「小伝馬町牢屋敷展示館」についてもっと知りたい方は、こちら(↓)をどうぞ。

https://www.chuoku-machikadotenjikan.jp/tenjikan/royashiki/ 

【参考文献、出展】(ホームページ含む)

歩いてわかる中央区ものしり百科、中央区、国立国会図書館、東京都立図書館、国立文化財機構、東京国立博物館、NHK、プレジデント、サライ、ステラNet

本の江戸文化講義-蔦屋重三郎と本屋の時代-(KADOKAWA)、蔦屋重三郎と粋な男たち!-時代を生き抜く成功方法-(内外出版社)、蔦屋重三郎と田沼時代の謎(PHP研究所)、蔦屋重三郎と吉原-蔦重と不屈の男たち、そして吉原遊郭の真実-(朝日新聞出版)、蔦屋重三郎と江戸文化を創った13人-歌麿にも写楽にも仕掛け人がいた!-(PHP研究所)、蔦屋重三郎の時代-狂歌・戯作・浮世絵の12人(KADOKAWA)、これ一冊でわかる!蔦屋重三郎と江戸文化(Gakken)、江戸の仕掛人 蔦屋重三郎(ウェッジ)、蔦屋重三郎(平凡社)、蔦屋重三郎 新版(平凡社)、蔦屋重三郎 江戸を編集した男(文藝春秋)、べらぼうに面白い蔦屋重三郎(興陽館)、蔦屋重三郎-江戸の反骨メディア王-(新潮社)、蔦屋重三郎-江戸芸術の演出者-(日本経済新聞社)、蔦屋重三郎と浮世絵-「歌麿美人」の謎を解く-(NHK出版)、蔦屋重三郎と江戸のアートがわかる本(河出書房新社)、蔦屋重三郎の仕事(平凡社)、Art of 蔦重-蔦屋重三郎 仕事の軌跡-(笠間書院)、蔦屋重三郎と江戸メディア史(星海社)、東京江戸地図本-TOKYOで「華のお江戸」を巡る-(ユニプラン)、吉原噺-蔦屋重三郎が生きた世界-(徳間書店)、居酒屋蔦重(オレンジページ)、もっと知りたい蔦屋重三郎-錦絵黄金時代の立役者-(東京美術)、江戸文化の仕掛け人 蔦屋重三郎と若き芸術家たち(玄光社)、すぐ読める!蔦屋重三郎と江戸の黄表紙(時事通信出版局)、江戸を照らせ-蔦屋重三郎の挑戦-(小峰書店)、蔦屋重三郎-江戸の出版プロデューサー-(講談社)、蔦屋重三郎-歌麿、写楽、北斎を仕掛けた江戸のカリスマ出版人-(集英社)