【浮世絵に描かれた中央区の名所 ②】
~「名所江戸百景 京橋竹がし」: 歌川広重~
江戸時代、京橋には竹河岸や大根河岸などの河岸がありました。ここでは、冬に、「京橋の親柱」と一緒に、綺麗に色づいたモミジと桜の花を観賞できます。
「名所江戸百景 京橋竹がし」: 歌川広重
広重の絵に描かれている竹河岸は、京橋の東側にありました。広重は、お城側の上流から海の方向を見た京橋の風景を描いており、絵の奥の方向が八丁堀です。
向かって絵の左側、満月の京橋の空に向かってそびえ立っているのは、すべて竹で、竹河岸がありました(絵の①)。江戸時代、箸やざる、包装材、竹炭など、竹は万能の資源で、江戸での消費量は膨大でした。竹は、北関東一円から運ばれて、京橋の竹河岸で荷揚げされていました。竹の壁は、4階建てほどの高さがあり、京橋沿いは、まるで竹の要塞のようでした。川には、運ばれてきた竹の筏が浮かんでいます(絵の②)。京橋には、伊勢神宮の宝珠を真似た飾りの「擬宝珠(ぎぼし)」が付けられており、江戸では、ここ京橋と、日本橋、新橋の3ヶ所の橋のみに付けられました(絵の③)。
大山詣に向かった一行が江戸に帰って来た様子も描かれています(絵の④)。大山詣は、鳶などの職人たちが巨大な木太刀(きだち)を江戸から担いで運び、滝で身を清めてから奉納と山頂を目指すという参拝で、江戸の人口が100万人の頃、年間20万人もの参拝者が訪れました。
「京橋竹がし」の現在
タイトル画像は、2025年12月25日に撮影した、「京橋の親柱」です。モミジが綺麗に色づいており、その横には、十月桜(御会式桜)が咲いています。
「京橋の親柱」アクセス:https://www.chuo-kanko.or.jp/pages/other_details/119494 (タイトル画像は、ポリスミュージアムから中央通りを挟んで向い側にある親柱です)
江戸時代に京橋川があった場所には、現在、首都高速道路が架かっており、上の画像は、首都高速道路の東側、江戸時代に竹河岸があったあたりの風景です。現在、再開発に伴い一時閉館中の、ポリスミュージアム(中央の建物)の横の通りが、江戸時代の名前が残っている「京橋竹河岸通り」です。
「京橋竹がし」の未来
竹河岸があったエリアは、現在、再開発中です。下の画像上段は再開発後の風景で、画像下段は中央区京橋3丁目の再開発エリアです(出典「東京建物」)。2026年着工、2030年竣工予定で、事務所、ホテル、店舗などで構成される地上35階、地下4階、高さ約180mの超高層ビルが新設される予定です。
「京橋竹河岸通り」は再開発エリアの真ん中にあり、先ほどの写真の工事フェンスにも「廃道につき通行止め」と記載されています。竹河岸があった名残として残っている、「京橋竹河岸通り」は、無くなってしまうのでしょうか。。。
【過去ブログ、参考資料・出典】
●過去ブログ:
①「東海道五拾三次 日本橋 朝之景」:歌川広重
●参考資料・出典(ホームページ含む):
神奈川県伊勢原市、東京建物、
歩いてわかる中央区ものしり百科、中央区、中央区観光協会、Central Tokyo for Tourism(東京中央区オフィシャル観光ガイド)、国立国会図書館、東京都立図書館、国立文化財機構、東京国立博物館、中央区沿革図集
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