【浮世絵に描かれた中央区の名所 ①】
~「東海道五拾三次 日本橋 朝之景」: 歌川広重~
「日本橋」は、歌川広重のベストセラーシリーズ「東海道五拾三次」の1作目、「日本橋朝之景」に描かれています。江戸時代の日本橋は、早朝から大変な賑わいを見せていました。
「浮世絵に描かれた中央区の名所」
あけましておめでとうございます。
お蔭様で、昨年は、2025年5月3日にスタートした、「中央区とのご縁:べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」シリーズのブログが、41回を重ね、最終回を迎えることが出来ました(↓)。
https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=6479
今年は、「浮世絵に描かれた中央区の名所」について、現在の風景を眺めながら、江戸時代に思いを馳せることができるようなブログをお届けできればと思っています。このブログを片手に、浮世絵に描かれた中央区の名所に足を運んで頂ければ幸いです。どうぞ、よろしくお願い申し上げます!
画像は、今年の干支の、馬のオブジェと「馬車鉄道」のタイル画です。都営新宿線の馬喰横山駅構内にあります。
「東海道五拾三次 日本橋 朝之景」: 歌川広重
(出典:国立国会図書館)
歌川広重のベストセラーシリーズの1作目が、この「東海道五拾三次 日本橋 朝之景」で、描かれたのは、1833年~34年頃です。これは、日の出前の、ほの暗い空の下、木戸(絵の①)が開いたばかりの日本橋を描いた作品です。
皆さんご存知の民謡、「お江戸日本橋」の中に、「お江戸日本橋 七つ立ち」との歌詞があります。「七つ立ち」とは、「暁七つの時刻に出発する」という意味で、現在の時刻にすると午前4時ごろにあたります。
この歌詞の通り、早朝から東海道に入り、一日に歩く距離を長くして、参勤交代の経費を節減しようとするのが当時の大名行列(絵の②)の習いでした。
左下には、日本橋魚河岸で仕入れたばかりの新鮮な魚を抱えた魚屋などの、棒手振り(ぼてふり)と呼ばれる天秤棒を担いだ行商人が描かれています(絵の③)。
橋の欄干には、擬宝珠(ぎぼし)があり(絵の④)、これは、幕府が架けた大事なご普請橋の証で、日本橋、京橋、新橋の3ヶ所のみに設置された装飾です。
日本橋のたもとの「黒江屋」1階のショーウィンドウには、江戸初期(万治元年(1658年))の、日本橋の擬宝珠が展示されています(下の写真)。
黒江屋さんは、店舗がビルの2階にあるため、ご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、創業300年の老舗で、全国各地の逸品の漆器を数多く取り揃えていらっしゃいます。日本橋にお越しの際には、是非、店舗を訪れてみてください(↓)。
上の画像は、日本橋南詰(京橋側)から撮影した、現在の日本橋の写真です。
広重の絵の⑤は、江戸時代の「高札場」で、幕府からのお達しなどが掲載されていました。下の画像(現在の写真の①)は、日本橋のたもとの観光案内所の横にある、「日本橋由来記」の碑で、江戸時代の「高札場」は、このあたりにありました。
また、広重の絵に描かれている「火の見櫓」(絵の⑥)は、現在、「コレド室町」が建つあたり(現在の写真の②)にありました。
日本橋の未来
広重の浮世絵で、日本橋の過去をご覧頂きましたが、上の画像は、日本橋の未来です。先ほどの日本橋の現在の写真と、見比べてみて下さい。橋の上には、遮るものは何もなく、青空が広がっており、その点では、広重の浮世絵に近いかもしれませんね。
日本橋の上にある高速道路の地下化が進められており、2040年代には、橋の上に青空が広がる景色が見られるようになります。地下化工事の状況は、以下のホームページで紹介されています。
【参考資料・出典】
●参考資料・出典(ホームページ含む):
歩いてわかる中央区ものしり百科、中央区、中央区観光協会、Central Tokyo for Tourism(東京中央区オフィシャル観光ガイド)、国立国会図書館、東京都立図書館、国立文化財機構、東京国立博物館、中央区沿革図集
一度は見たい「浮世絵」名作100選-究極の名画を完全網羅!(宝島社)、浮世絵-江戸庶民が愛したメディアアートの歴史・名品・技法(カラー版徹底図解)(新星出版社)、図解でスッと頭に入る浮世絵(昭文社)、世界でいちばん素敵な浮世絵の教室(三才ブックス)、2時間でわかる浮世絵の本(自由国民社)、浮世絵の解剖図鑑-江戸の暮らしがよく分かる(エクスナレッジ)、ぶらり謎解き浮世絵さんぽ-お江戸にタイムトリップ(エクスナレッジ)、浮世絵でたどる!江戸の凸凹地形散歩(山川出版社)、浮世絵と古地図でたどる江戸の名所-江戸の名所をめぐればわかる!江戸っ子たちの暮らしと嗜み(洋泉社MOOK)(洋泉社)、広重「名所江戸百景」展 江戸開府400年記念-江戸切絵図と現代絵地図で辿る119名所(中央区江戸開府400年記念事業実行委員会)、浮世絵TOKYO名所案内-古地図でめぐる江戸東京ぶらり旅(メイツ出版)、新編浮世絵の基礎知識(雄山閣)、日本橋街並み商業史(慶応義塾大学出版会)、日本橋街並み繁昌史(慶応義塾大学出版会)、読んで歩いて日本橋-街と人のドラマ(慶応義塾大学出版会)
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