あすなろ

青天 七分積金の恩恵

旧築地市場の広大な跡地には、寛政の改革を行った老中、松平定信の下屋敷跡がありました。「浴恩園」と名付けて庭園を整えた定信公は、幕府の要職を退いた後、楽翁と号し、余生を過ごした場所です。

今後、更地に近い施設として利用されたのち、
本格的に跡地の調査が進めば
埋蔵文化財が出土する可能性が高く、いろいろ解明につながるでしょう。

質素倹約を柱とする改革を断行した定信公が
造った庭などから人物像を探れたら興味深いですね。

 青天 七分積金の恩恵

新一万円札の肖像画、
そして2021年の大河ドラマ主人公に
選ばれた渋沢栄一は、「論語と算盤」で
定信公(楽翁公)のことを高く評価しています。

江戸時代の「七分積金」は明治時代になるまで
引き継がれ、多数の人を救うことができました。
道徳経済合一です。

逆境の中で社会を支える新しい仕組みを考えた背景は
何か昨今の状況と似ているかもしれません。


◆江戸浴恩園全図
 国立国会図書館デジタルコレクションより