ギボウシ、つぼみから開花まで
植物の「ギボウシ」の命名先となった日本橋などに設置されている擬宝珠(ぎぼし)を当ブログで以前に紹介しました。江戸時代の擬宝珠を所有している黒江屋さんに興味を持って頂き、日本橋の漆器商「通り三軒」に関する資料を頂きました。有難く思っております。
さて今回は番外編として、狭い我が家の庭にギボウシが2ケ所に植わっており、ちょうど「つぼみから開花」の時期を迎えたので、その変化の様子を紹介します。我が家のギボウシは古くから栽培されている、大型の園芸品種の重要な原種に近いと思われます。全体に白粉を帯びて葉が円く、オオバギボウシよりもやや草丈が低い感じです。6月12日には擬宝珠風の「つぼみ」だったのですが、25日には開花し7月8日には全開。一部は枯れ始め、擬宝珠の面影はありません。それでも1ケ月近く楽しめました。
「ギボウシ」の咲く前の、新芽(つぼみ)を「うるい」と呼びます。うるいをお浸しにして食べることが出来ます。茹でて、煮物や、和物、お浸しにするのが基本のようです。うるいは、シャキシャキとした歯応えを残すのがポイントで、サッとゆがくのですが私は食したことはありません。来年にはトライしたいと思います。
このうるいを漢字で書くと「擬宝珠」です。「ギボウシ」の花のつぼみの形が、橋や寺院の装飾、柱頭などに取り付けられている、宝珠の形をした飾りである「擬宝珠」のことです。
仏教の宝珠は、釈迦の骨壺形あるいは、龍神の頭の中から出てきたという珠のこととも言われ、地蔵菩薩の手のひらに乗せているものです。
地蔵菩薩の宝珠
地蔵菩薩の左手に如意宝珠(擬宝珠)、右手に錫杖を持つのが一般的な姿です。
実は、もう一つの説があります。余り情緒のある説とは言えませんが、葱のもつ独特の臭いが魔除けにもなると信じられたので、「葱帽子」ねぎぼうし=ギボウシになったとも言われています。私は余り好きではない説です。