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べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 異聞 ⑮
  ~ 平秩東作 ~

リモートで、愛する中央区をナビゲートします、rosemary  sea  です。

 

NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~」第15話、お楽しみいただけましたでしょうか。ラストの解説では『浜離宮恩賜庭園』が鷹狩り場として紹介されていましたね。

本編では女性らしき黒幕が暗躍、何やらきな臭い事件が続きました。

ロズマリとしては“西の丸の爺”、“白まゆ毛”こと老中・松平武元(まつだいらたけちか:石坂浩二さん)が、良い人・分別ある人だったことで心穏やかになりました。石坂さんの重厚な演技、すばらしかったですね。

 

初登場の杉田玄白にしようか、と迷いましたが、今回は「平秩東作(へづつとうさく」にコミットします。

15話では平賀源内とともにある調査を遂行、というかたちで登場しましたね。5話の武蔵の国・秩父開発の下りでも出てきました。

平秩東作は江戸時代後期の戯作者(げさくしゃ)・狂歌師・漢詩人・文人です。

後述しますが、東作さん、鉄砲洲の船松町、現在の中央区湊で材木店を営んでいたことがあるそうです。

それに、平賀源内(※)が小伝馬町の牢獄で破傷風にかかり獄中死した際、その亡骸(なきがら)を引き取りした、と言われています。

※ 平賀源内につきましてはこの シリーズ⑩ をご覧ください。

なお、冒頭画像は湊1-6-7、鉄砲洲稲荷神社です。以下でご紹介しています。

⇒ 2021年2月15日「茅場町駅・八丁堀駅周辺の静かな佇まいの神社めぐり ⑦ ~鉄砲洲稲荷神社~」

それでは・・・

 

平秩東作は・・・

平秩東作は・・・ べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 異聞 ⑮
  ~ 平秩東作 ~

画像は八丁堀3-28-15、日比谷稲荷神社です。以下でご紹介しています。

⇒ 2021年3月11日「茅場町駅・八丁堀駅周辺の静かな佇まいの神社めぐり ⑧ ~日比谷稲荷神社~」

 

平秩東作

享保11年(1726年) ー 寛政元年(1789年)

本名は立松懐之(たてまつかねゆき)。

『平秩東作』はいわゆる筆名・芸名で、書経の虞書堯典(ぐしょぎょうてん)の篇に『寅(つつし)んで出日をむかへ 東作(農耕)を秩(ちつ:整える)せしむ』とあることに由来するそうです。

内藤新宿(現在の新宿区1~3丁目)の生まれ。

亡き父の跡を継ぎ、稲毛屋というたばこ屋となります。

平賀源内や太田南畝(なんぼ)と親交あり。

狂歌師としては・・・

「吉原細見」をまねて「狂歌師細見」を作り、蔦重が版元となって出版しました。

あとは「狂歌百鬼夜狂」、蔦重が主宰し、怪異をお題とした狂歌集。

戯作者としては・・・

「水濃往方(みずのゆくえ)」があります。

 

安永2年(1773年)、伊豆の天城山で炭焼きを行うようになります。

この炭焼き事業は天明3年(1783年)になっても続けられていたようです。

そして材木屋・・・

安永4年(1775年)、たばこの稲毛屋を長男に譲り、自身は本所相生町(現在の墨田区両国、緑)に材木問屋を開きます。

しかし安永7年(1778年)にお店を鉄砲洲船松町に移します。冒頭でお話ししました現在の中央区湊です。

ではなぜ船松町に移したのか・・・

当時の鉄砲洲は蝦夷やロシアへの入り口・窓口となっていました。

東作さんは蝦夷地の有力者とも親交がありました。

その蝦夷地との関係を強固にするため、船松町にお店を移したと思われます。

これは老中・田沼意次の蝦夷地開発事業にも繋がります。

ただ、東作さん、フライング的に天明3年(1763年)密かに蝦夷地に渡ります。

そして「東遊記」という紀行書を著しました。

その2年後の天明5年(1765年)、幕府が蝦夷地探検を行うこととなります。

 

東作さん、冒頭で申し上げましたように平賀源内の亡骸を引き取っただけでなく、のちの記事で申し上げることとなりますが、横領の罪で逃げていた土山宗次郎を、武蔵の国所沢の山口観音でかくまう、ということもしています。

とても義理人情に厚い人でしたようです。でもそれが時としてマイナスに作用してしまうことも・・・。

山口観音の件でお上からお咎めを受け、そこで狂歌から距離を置いた、ともいわれています。

 

平秩東作は平賀源内に負けず劣らず、チャレンジ精神溢れる人生を送りました。

ですから東作さんが「山師(やまし:鉱脈や山林の事業などで大儲けをたくらむ輩)」と呼ばれる所以です。

 

「べらぼう・・・」での平秩東作は・・・

「べらぼう・・・」での平秩東作は・・・ べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 異聞 ⑮
  ~ 平秩東作 ~

画像は八丁堀3-24-11、今村幸稲荷神社です。以下でご紹介しています。

⇒ 2021年3月13日「茅場町駅・八丁堀駅周辺の静かな佇まいの神社めぐり ⑨ ~今村幸稲荷神社~」

 

木村了さんが演じています。TVドラマ「WATER BOYS 2」、観ていました。

 

平秩東作

~ 平賀源内(安田顕さん)の相棒であり戯作者・狂歌師 ~

内藤新宿の煙草屋を営む一方、炭焼きや材木商などさまざまな事業を手がける「山師」であり、平賀源内の商売仲間。

太田南畝とも親交を持つ。

源内の死後、田沼意次(渡辺謙さん)の政策に深く関わるようになり、意次の蝦夷地開発のきっかけをつくることになる。

ー NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」ホームページ より ー

 

 べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 異聞 ⑮
  ~ 平秩東作 ~

画像は八丁堀3-6-6、八丁堀天祖神社です。以下でご紹介しています。

⇒ 2021年3月15日「茅場町駅・八丁堀駅周辺の静かな佇まいの神社めぐり ⑩ ~八丁堀天祖神社~」

 

・・・今後もべらぼう~蔦重栄華乃夢噺~につきまして、細やかに視聴したいと思います。