【遠足シリーズ第14弾】森だけじゃなかった!
檜原村で見つけた「中央区」
こんにちは。アクティブ特派員のHanes(ハネス)です^^
連休中に初夏を迎え、暑いと感じる日が増えてきましたね。
そんな中、自然の涼しさとサイクリングロードを求めて、中央区と交流のある東京都唯一*の村「檜原村」へ行ってきました。(*島嶼部を除く)
檜原村に、ヒルクライムが楽しめる起伏のあるコースがあることはサイクリストの中でも有名!
前々からそのコースを一度走ってみたいと思っていたので念願の訪問となりました。
その一方で、思いがけない「中央区」との出会いもあったので、今回は少しだけ日帰り旅のお土産話をしたいと思います♪
中央区の森
まず、檜原村と聞いて思い浮かべる中央区のものは、「中央区の森」ではないでしょうか。
檜原村には、数馬地区と南郷地区の2ヶ所にの「中央区の森」があり、次世代につながる森林保全活動が行われています。
遡ること2005年2月、先進国の環境への取り組みに大きな影響を与えることとなる京都議定書が発効されました。
それに伴い、中央区ではエリアにとらわれない「広域な視点」に立ち、地球温暖化防止に取り組むべく、翌年10月に「中央区の森」事業を開始しました。
(数馬地区にある「中央区の森」の看板)
通常森林は、 生物の生息・生育地、水源、洪水防止、地球温暖化対策(二酸化炭素吸収)として重要な機能を担っています。
手つかずの自然が残るエリアは、都会で暮らす人からすると魅力的に映るかもしれません。
しかし、間伐等の適切な管理が行われない場合、森林の荒廃が進み、存続が危ぶまれます...
そのような状況を避けるため、中央区ではこの森で望ましい森林の保全を行っています。
ハイキング等で利用できるこの森(数馬地区)の中にはコースがあり、迷わずに歩くことができます。
森林が93%を占めるエリアということで比較的標高も高く、登りは少々体力を使います...
しかし、森の中には季節の花や街中ではなかなかお目にかかることのできない鳥を見ることができ、
登りの大変さを忘れて楽しむことができます*
そしてその道すがら、先ほどご紹介した間伐、枝打ち、下草刈り等を行うことで適切に管理された森の様子も目に入ってきます。
気になる間伐材の行方
では、適宜切られた木はどうなってしまうのでしょうか...
その行方は、なんと、中央区でした!
皆さんが何気なく利用している江戸バスのバス停や区内の公園のベンチの中には、この森の間伐材が活用されているものがあります。
例えば、下の写真に見られる中央区役所のそばにある江戸バスのバス停付近にある看板、ベンチ、プランターには、「中央区の森」の間伐材が使われています^^
意識して見ないと見落としがちですが、間伐材は意外と身近なところにあったのですね!
東京で最も標高の高いレストランで出会った古時計
「中央区の森」からもう少し山を登った先に、森林について学び、森ならではの体験ができる施設「都民の森」があります。
レストランや休憩室もあることから、サイクリングの途中に立ち寄る方も多いそうです。
そしてこちらには、「東京で、お空にいちばん近いレストラン」(標高1,043m)である「とちの実」さんがあります。
こちらで昼食をいただいた際に、偶然中央区に関する貴重なものを見つけました。
それが、「生後百年を越えた時計たち⑤」として設置・紹介されていた精工舎(セイコーホールディングス)の八角時計です。
精工舎は、服部時計店の時計製造部門として1892年に創業し、国産時計の生産に着手し、後に国産初の腕時計の製造にも成功しています!
(上記リンク先では、時計の詳細や服部時計店創業者についての解説をご覧いただけます。)
こちらのレストランでは、一期一会である全ての出会いの大切な時の流れを刻むために、ゼンマイ時計を設置しています。
技術の進歩により、古きよきものが忘れられつつある現代...ネジを巻く面倒くささの伴うゼンマイ時計もまた例外ではありません。
しかし、そのネジを巻くという行動を通して、人間の生命エネルギーが直接時計の動力になっているという魅力は見逃せないと聞き、納得。
レストランの方曰く、檜原村の観光協会の方の中に古時計を集めていらっしゃる方がおり、時々別の機種に交換しているそうです。
そのため、今回精工舎の古い八角時計に出会えたのも、一期一会!
何かの縁だったのかもしれません^^*
健気に時を刻む音や少々せわしなく時を告げる音は、時間の大切さを再確認させてくれました。
そして、この古時計の製造元に関連のあるセイコーホールディングスと言って思い浮かぶのが、昼見ても夜見ても目を引く銀座のランドマーク、和光の時計塔!
初代の時計塔は、1894年に服部時計店によって完成しました。
前述の通り、精工舎はその時計店の時計製造部門ですが、1947年にはその時計店の小売部門として和光が設立されました。
「とちの実」さんに設置されている古時計は明治30年代半ばの製造と推定され、貴重な時計の一つだと言えるでしょう。
〈番外編〉檜原村観光情報
檜原村では、豊かな自然、伝統文化、縄文時代にまでさかのぼる長い歴史、そしてとても人柄の良い地元の方々に出会うことができました。
特に滝が多いエリアでもあるので、暑い夏にはぴったりのお出かけ先ではないでしょうか。
また、重要文化財に指定されている山岳古民家「小林家住宅」では、檜原村で昔から行っていた炭焼きの話を含め、小林家の子孫の方からお話を伺うこともできました。
標高600m(モノレール乗り場)から750m(住宅)にかけてのびる約400mのモノレール(無料、要予約)は、最大傾斜約45度!
運が良いと、道中の森の中に特別天然記念物であるカモシカの姿を見ることができるのだそうです♪
檜原村は都心からは少し離れますが、このように見所や魅力がたくさんつまった場所です。
訪問した際には、「中央区の森」や「精工舎の八角時計」も合わせてチェックしてみてはいかがでしょうか^^
また反対に、中央区にお越しの際には、「中央区の森」の間伐材を使用したベンチ等を探してみてくださいね*