2022 春本番目前 淡紅色の彩り
上空の暖気と陽射しの影響で全国的に今年一番の暖かさとなった3月12日、東京都心も今年初めて20℃を超え21.8℃と、5月下旬並みの季節先取りの陽気に包まれました。 日本橋本町1~4丁目の "あじさい通り" に植栽されている早咲きのオカメザクラも一気に咲き揃い、見頃を迎えています。 オカメザクラは、イギリスのサクラ研究家コリングウッド・イングラムが、マメザクラとカンヒザクラを交配して作出したとされる園芸品種で、淡紅色の鮮やかさはカンヒザクラ、小輪、半開で下向きに咲く形質はマメザクラから引き継ぎ、萼が濃い紅色で目立ち、低木で細い枝ぶりと、控えめに俯き加減に咲く姿が特徴です。 "オカメ"(お多福)の由来に関しては、古くは、ふくよかな体型の女性は、豊穣、徳を表わし、所謂 "美人" の条件とされていた時代もあり、日本女性美のシンボルとして名付けられたとの説が有力視されているようです。 花色が濃く華やかさを有し、樹高がさほど大きくならないため、人通りが多くスペースが限られた場所の街路樹や、狭い庭のシンボルツリーとして重宝され、花が小さく多花性という特性を活かして、盆栽、鉢植えにすることもあると聞きます。 あじさい通りのオカメザクラは、当初本町1丁目界隈26本の植樹からスタートしたと聞きますが、現在は、千代田区との区境の日本橋4丁目まで凡そ700mにわたり約70本の桜並木が続きます。