門と門跡@中央区
春は新たな門出の季節。ということで、今回のブログでは中央区にある2つの門と2つの門跡をご紹介します。
泰明小学校のフランス門
銀座みゆき通りに面した泰明小学校の正門は、フランス門と呼ばれています。南フランスの貴族の館にあった門を輸入して設置したといわれており、アーチ型の開口を持つ塀に設けられたとても瀟洒なデザインです。
ちなみに、泰明小学校の校舎は関東大震災後の復興小学校のひとつとして1929年(昭和4年)に建設され、1999年(平成11年)に東京都選定歴史的建造物に選定されました。
所在地:中央区銀座5丁目
築地本願寺の正門・北門・南門
築地本願寺の本堂、門柱(上の写真左から、北門、正門、南門)及び敷地を囲む石塀は、2014年(平成26年)に国の重要文化財に指定されました。1934年(昭和9年)竣工。設計は、明治神宮の設計者のひとり伊東忠太。本堂は古代インド仏教様式の鉄筋コンクリート造。門柱と石塀のデザインは本堂と共通で、一体感を持った独特の景観が形成されています。
所在地:中央区築地3丁目
※特に夜の築地本願寺は、日本離れした雰囲気です。
常磐橋門跡
常盤橋門は江戸城外郭門のひとつで、1629年(寛永6年)に建造されました。江戸城正門の大手門に通じるので大手口、あるいは浅草経由で奥州道中や日光道中に通じているので浅草口とも呼ばれ、田安門(上州口)、神田橋門(芝崎口)、半蔵門(甲州口)、外桜田門(小田原口)とともに江戸五口に数えられました。
一ノ門(高麗門)と二ノ門(渡櫓門)で構成される桝形門だったようで、切込接ぎ(整形した石同士を密着させる積み方)の石垣に当時が偲ばれます。
所在地:中央区日本橋本石町2丁目~千代田区大手町2丁目
芝口御門跡
1710年(宝永7年)、江戸幕府が威光を顕示するために朝鮮通信使の来日に際して江戸城芝口御門を建造しました。新井白石の発案によるものといわれています。1724年(享保9年)に焼失して以降、再建されることはなく、石垣も撤去されました。
芝口御門の往年の姿は門跡地に建つ記念碑の銅板に描かれており、常磐橋門と同様、一ノ門(高麗門)と二ノ門(渡櫓門)で構成される桝形門だったようです。
所在地:中央区銀座8丁目
常盤橋門と芝口御門 - どちらの門もたいへん壮観だったと思います。実物を見ることができないのはちょっと残念ですね。