Hanes

中央区との関係あり!杉原千畝の足跡をたどって
@杉原千畝 SEMPO Museum


こんにちは。アクティブ特派員のHanes(ハネス)です!
先日、オープン当初から行きたいと思っていた杉原千畝 SEMPO Museumにやっと行くことができました。

こちらのミュージアムでは、第二次世界大戦中、日本領事館領事代理として赴任していたリトアニアのカウナスで、ナチス・ドイツによって迫害されていた多くのユダヤ人たちにビザを発給し、約6000人のユダヤ人難民を救った杉原千畝(すぎはらちうね)の生涯を知ることができます。
彼の発給したビザは「命のビザ」と呼ばれ、それで救われた人たちとその子孫を含めると現在25万人以上に及び、その中には世界各国で活躍する要人もたくさんいます。
ミュージアム内では限られた場所のみ撮影可ではありましたが、非常に興味深い展示が多く、中にはあまり知られていないであろう中央区とのつながりも「発見」できました!

彼がユダヤ避難民へのビザ発給を開始したのは1940年7月29日。
7月は東京駅から近いこちらのミュージアムで、彼の生涯や貢献について学んでみませんか?

充実した展示物の数々

こちらのミュージアムでは、前述の「命のビザ」に関するものは勿論のこと、一般的にあまり知られていない興味深い展示物が多くあります。
今回は、まだこのミュージアムに足を運んでいない方にも「行きたい^^」と思っていただけるような展示内容の一部をピックアップしてご紹介します。

・1937年9月9日(木)杉原夫妻がニューヨークからフィンランドに向かった際に乗船した豪華客船「ブレーメン号」のメニュー《複製》
朝食のメニューは、Huckleberries等様々なフルーツに始まります。
昼食のメニューのアイスクリームの欄を見てみると、Chocolate Nut Sundae、Vanilla Ice-cream, Wafers、Orange Ice-cream, Friandisesと美味しそうなものばかり。

杉原夫妻もいずれかのアイスクリームを召し上がったのでしょうか。
こうして考え始めると、前菜やメインのメニューも気になってきますよね^^

 中央区との関係あり!杉原千畝の足跡をたどって@杉原千畝 SEMPO Museum

(来館記念に押印できる「決断のスタンプ」)


・2008年初演のミュージカル「SEMPO - 日本のシンドラー杉原千畝物語 - 」で使用された能面
この能面は、杉原氏に圧力をかけるヒトラーや日本軍を描写するシーンで使用されました。
ミュージカルでは階段を降りる等の激しい動きがあったため、特別に目の穴が大きくなってます。
これは世界的に見てもほとんどない珍しい例なので、能がお好きな方はぜひ一度ご覧になってみてください^^

その他、「命のビザ」を有効にした「キュラソービザ」の役割や、シカゴ・マーカンタイル取引所名誉会長レオ・メラメド氏(1972年に世界初の通貨先物取引所である国際通貨市場(IMM)を創設する等、金融先物市場の創設と発展に尽力した人物)と杉原氏の関係についても詳しく知ることができます。

杉原千畝×中央区

「命のビザ」と比べると知られていませんが、実は中央区にも杉原氏に関する場所があります。
意外かもしれませんが、その場所とは現在の松屋銀座です!

 中央区との関係あり!杉原千畝の足跡をたどって@杉原千畝 SEMPO Museum

(国立国会図書館デジタルコレクション「モージャー氏撮影写真資料」より/インターネット公開(保護期間満了))


残念ながら、彼が1947年に外務省を退職してから1960年に川上貿易のモスクワ所長として単身赴任をするまでの日本での職歴を詳細に記した文献は多くありません。
実際はその十数年間、彼は卓越した語学力をかわれ、いくつもの職場を経験しています。
その中の1つが、GHQによりPX(米軍売店)として全面接収された松屋銀座本店でした。
1951年1月には日本総支配人に就任したという記録が残っており、このミュージアムではこれに関する展示もいくつか見ることができます。

参考文献・ウェブサイト

国立国会図書館デジタルコレクション「モージャー氏撮影写真資料」
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10756455 ※インターネット公開(保護期間満了)
白石仁章『杉原千畝 情報に賭けた外交官』(新潮文庫、2015年)
白石仁章『杉原千畝たちの時代 戦争と諜報外交』(角川選書、2015年)
ソリー・ガノール 著、大谷堅志郎 訳『日本人に救われたユダヤ人の手記』(講談社、1997年)

■余談
「モージャー氏撮影写真資料」は、2008年に米国在住のモージャー(Robert V. Mosier)氏の親族から寄贈を受けたカラースライド(304枚)を国立国会図書館でデジタル化し、2017年に公開したものです。
第二次世界大戦後の1946年4月から1947年1月まで、GHQの文民スタッフとして日本に滞在したモージャー氏が、東京、名古屋、広島等の全国各地で撮影した街頭風景や建築物のカラー写真を閲覧することができるので一見の価値があります。

ご紹介施設情報

ご紹介施設情報 中央区との関係あり!杉原千畝の足跡をたどって@杉原千畝 SEMPO Museum

杉原千畝 SEMPO Museum
所在地:東京都中央区八重洲2丁目7-9 相模ビル2階
開館時間:11:00~17:00
休館日:月曜・火曜(※定休日が祝日の場合開館。詳しくはホームページでご確認ください。)
入館料:大人 500円、中学生・高校生 300円、小学生以下 無料
ホームページ:http://sempomuseum.com/