2023 初午祭「青空の下 舟入堀に映える奉納幟」
初午祭とは、全国に約3万社とされる稲荷神社の総本山である 京都伏見稲荷大社に祭神が降臨したのが和同4年2月の最初の午の日 との故事に由来した、2月初午に執行される稲荷神社の祭事です。 旧佃島 壱部(上町)には、住吉神社境内社の一つで、明治2年に大伝馬町1丁目より遷座したと伝わる「入船稲荷神社」、弐部(下町)には、森孫右衛門一族が奉納した屋敷神が起源の「森稲荷神社」、参部(東町)には、玉垣の刻銘に元漁師町の面影を残す「浪除稲荷神社・於(御)咲稲荷神社」と、計3ヵ所4社の稲荷神社が鎮座していますが、今年は日曜日に当たった初午の2月5日、暦通り、10:00から、参部、弐部、壱部の順で、太鼓の音が響く中、住吉神社平岡宮司により、修祓式が執り行われました。 神前には、油揚げのほか、酒、海の幸、山の幸などの神饌が供えられ、前日に整然と立てられた、赤字に各神社名が染め抜かれた数多くの奉納幟がひらひらと風になびいています。青空の下、舟入堀に映り込む奉納幟、佃小橋の朱が鮮やかです。 境内には江戸時代に遡る風俗の「地口」(駄洒落の一種で、誰もが知る成句や芝居の台詞などを置き換え、読み替えた言葉遊び)に、滑稽な画を描き加えた箱型の「地口行灯」が飾られています。 「ゑん満舌の力もち( =縁の下の力持ち)」との地口の文句に、閻魔大王が糸で結んだ石を舌で持ち上げる戯画が描き添えられるなど、何れもクスッと笑わせる遊び心に溢れています。