没後130年「井上安治」展 開催中です!
中央区や東京の歴史を調べていると、しょっちゅう井上安治という画家の絵に行き当たったという経験は無いでしょうか?
井上安治は1864年(元治元年)浅草の生まれ。1889年(明治22年)、26歳という若さで夭逝した画家ですが、夥しい数の絵を残しています。大錦版と呼ばれるサイズのものが53種73点。東京真画名所図解(別名:東京名所絵)という絵葉書ふうのシリーズは何と134点もあります。ほかにも書籍の挿絵なども・・
光線画と呼ばれる、淡い色彩の浮世絵として美しい作品が多いですが、なんといっても資料的な価値が高いので、歴史書の挿絵などに多用されるのだと思います。
中央区には「~~発祥の地」「~~の跡」といった、歴史の痕跡についての説明板や碑が各所にありますが、その場所に立っただけでは当時の風景を想像するのは難しいことが多いです。そんなとき、井上安治の作品が想像力を手助けしてくれるという意味でもありがたいですね。
そんな井上安治の「生の」絵を観ることができる展示会がガスミュージアムにて開催中です。
※上記の画像はタイムドーム明石の収蔵品アーカイブの画像ですが、現地で本物を観ることができます。
開催概要
会期は2019年4月2日~6月23日ですが、5月12日に一部作品の展示替えが行われました。後期展示に合わせて発行されたプレスリリースをいただきましたので、開催概要部をそのまま貼り付けさせていただきます(↑↑)。
ガスミュージアムのサイトはこちら
ガスミュージアム自体も見どころいっぱい
ミュージアムの外観(上)も美しいですが、明治期のガス事情に関するパネル展示や、当時使用されていた本物の関連品なども展示しており(左下)、興味が尽きません。
また、井上安治展は企画展なので期間限定ですが、常設展示のほうにデジタルライブラリーが備えてあり、井上安治に限らず、光線画や錦絵の数々を参照することもできます(右下)。
とにかく、50点以上の井上安治の作品を「生で」観られる滅多に無い機会です。場所は少々遠いですが入場無料。訪れてみる価値大かと思います。以下、出典リスト(の一部)です。
タイトル | 制作年 |
新吉原夜桜景 | 1880 |
浅草橋夕景 | 1880 |
代官町之景 | 1880 |
浅草橋雨中の景 | 1881 |
富士見渡シ之景 | 1881 |
第二回勧業博覧会一覧 | 1881 |
京橋勧工場之景 | 1882 |
竹橋内 | 1881-89 |
浅草橋之景 | 1881-89 |
銀座商店夜景 | 1882 |
京橋松田の景 | 1884 |
新富町新富座景 | 1884 |
皇城二重橋 | 1888 |
新吉原夜桜之景 | 1888 |
吾妻橋 | 1888 |
九段招魂社 | 1883 |
向島 | |
清佛戦争図 | 1884 |
新よし原はん栄之図 | 1885 |
大丸呉服店繁栄図 | 1886 |
東京劇場千歳座之景 | 1884 |
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ほか約30点 |