2023 春の陽気 淡紅色の彩り
3月最初の土曜日の4日、東京都心の最高気温は17.4℃を記録し、4月上旬並みの陽気に包まれました。 日本橋本町1~4丁目の "あじさい通り" に植栽されている、早咲きの「オカメザクラ(阿亀桜)」が咲き揃い、見頃を迎えています。 オカメザクラは、イギリスの桜研究家のコリングウッド·イングラムが、カンヒザクラとマメザクラを交配して作出した園芸品種で、低木で細い枝ぶり、一重咲き、小輪、淡紅色の花弁は平開せずやや半開、黄色い葯の雄しべ、緋色の萼、俯き加減に咲く姿が特徴です。オカメ (=お多福)の名前の由来に関しては、古くは、ふくよかな体型の女性は、豊穣、徳を表わし、所謂 "美人" の条件とされていた時代もあり、一説では、日本風の名前を考えるにあたり、美人の代名詞として思い至ったのではないかと推察されているようです。 花色が濃く華やかさを有し、樹高がさほど大きくならないため、人通りが多くスペースが限られた場所の街路樹や、狭い庭のシンボルツリーとして重宝され、小輪多花性という特性を活かして、盆栽や鉢植えにも利用されると聞きます。 あじさい通りのオカメザクラは、当初日本橋本町1丁目界隈26本の植樹からスタートしたとされますが、現在は、千代田区との区界の日本橋本町4丁目まで凡そ700mにわたり、約70本の桜並木が続きます。