滅紫

幸四郎初役の「立場の太平次」ー寿祝桜4月大歌舞伎ー明治座

本日4月歌舞伎千穐楽。久しぶりの明治座です。幸四郎さんが初役で「絵本合法衢」の大学之助と立場の太平次二役を演じるのを楽しみにしていました。2018年4月の歌舞伎座で仁左衛門さんが「一世一代」で演じた後、久々の上演です。幸四郎さんのインタビューによれば、祖父の初代白鷗さんと父の現白鷗さんも幸四郎さん時代に演じられた所縁の演目とか、その後は仁左衛さんの当たり役となっていたので、「仁座右衛門さん=太平次」

の印象が強かったのですが、高麗屋さん所縁の演目だったのですね。「お家横領を企む冷酷非道の大学之助と同じ悪でも愛嬌のある顔のそっくりな太平次」の演じ分けと見世物小屋、マムシの毒酒、蚊や鼠が這い回る立場など南北物の世界が見所です。善人方がバッタバッタと無惨に殺されていくのですが、この殺しの場が美しく目が離せません。こうして役が次代に継承されていくのだと腑に落ちた一幕でした。

正面玄関にも横断幕があり、ロビーも「明治座150周年」の文字があちこちに。そうなんです。明治座は明治6年(1873)の開場なので今年で150年。歌舞伎座は明治22年(1899)の創業です。喜昇座ー千歳座ー千歳座、そして明治26年に明治座となるまでの歴史を2階のロビーでみることができます。(係の方に許可をいただいてご案内します)

 

 幸四郎初役の「立場の太平次」ー寿祝桜4月大歌舞伎ー明治座

「150周年」記念公演で来月5月は「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」と銘打ち「不死鳥よ波濤を越えて」「御贔屓繋馬」が上演されます。宙乗りあり、俳優さんの「生ま歌」まであるというもの。こちらも楽しみですね。

久しぶりにお邪魔すると椅子の上にクッションと一体化した座布団(?)が置かれていて?でしたが、確かに3時間近く座っていても疲れません。係の方の話だとこの公演からとのこと。なかなかのアイデアです。

 幸四郎初役の「立場の太平次」ー寿祝桜4月大歌舞伎ー明治座

浜町駅の明治座側出口でこんな看板を見つけました。どこかで浜町から出土したという話は耳にしたことがあったのですが、ご興味のおありの方は駅でご覧ください。

 

「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」5月3日~5月28日(10,17休演)千穐楽は昼夜共に「御贔屓繋馬」を配役を替えて上演

昼の部 11:30開演 「不死鳥よ波濤を越えて」

夜の部 16時開演「御贔屓繋馬」

お問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489(10時~17時)