はじめ

100年目の区民文化財登録

関東大震災が大正12(1923)年9月1日に発生してから100年目の今年、新大橋の中央区側の橋詰に建てられた石碑「関東大震災避難記念碑」が区民文化財に登録されました。この記念碑は、新大橋が関東大震災で焼けずに残り、多くの人命を救ったことで建立されたものです(1933年に建立され、1964年に再建立されたと推定されています)。台座を含む高さが5.57m、幅2.11m、厚さ0.36mで、かなり大きな石碑です。

 100年目の区民文化財登録

橋上に避難した人々が助かったことで、通称「お助け橋(あるいは、人助け橋)」と呼ばれるようになった新大橋。当時は竣工してまだ10年程度の新しい鉄製の橋梁だったため、延焼や崩壊を防ぐことができたようです。また、避難誘導をしていた警察官が、荷物への引火を防ぐため避難者の荷物を捨てさせたこと、さらに混乱を収めるため避難者を座らせたことも、新大橋が焼け落ちなかった大きな要因だったと考えられています(災害時に適切な行動を心掛けたいものです)。

 100年目の区民文化財登録

現在の新大橋は、昭和52(1977)年竣工。橋の中央にあるケーブルを支えるための塔には、「新大橋の由来」「明治45(1912)年に架橋された新大橋(鉄骨橋)のレリーフ」「江戸時代の新大橋(木橋)のレリーフ(歌川広重の錦絵)」が飾られています。

 100年目の区民文化財登録

ちなみに、「関東大震災避難記念碑」と同時に「佃島旧名主森家及び関係資料」も区民文化財に登録されました。江戸時代に佃島の名主を務めた森家に伝わる資料です。系図や文書などの紙資料だけでなく印鑑や写真など多岐にわたり、佃島の歴史を知ることができます。7月29日(土)から9月3日(日)まで中央区立郷土資料館(本の森ちゅうおう2階企画展示室)にて開催中の「新規登録区民文化財展2023~震災の記憶と佃島の記録~」(入場無料)で、実物を展示中です。