2023 万葉の昔からの秋の七草「女郎花」
9月に入っても残暑厳しい日々が続いていますが、浜離宮恩賜庭園の花木園では、秋の七草の1つに数えられるオミナエシ(女郎花)が、明るく鮮やかに黄色に染まった姿で彩りを添えています。 オミナエシはオミナエシ科オミナエシ属の多年草。 日本全土、東アジアに広く分布し、茎は直立し、高さ0.6m~1.5m、葉は対生、羽状複葉で、裂片は細く尖っています。 夏から秋、上部の枝分かれした先に、5裂花冠、4本雄しべの小花が多数密集し、散房花序を形成します。 白花で葉の裂片が広いオトコエシに対して全体が優しい印象です。名前の由来に関しては諸説あり、①「オ(ヲ)ミナ(女郎)」は美人/若い女性の古称で、「エシ」は動詞「ヘス(圧す)」の連用形との解釈と、推量の「ベシ」との解釈があり、前者とすれば「美女をも圧倒する美しい花」、後者とすれば「女らしい花」に因むという説、②花の形状を女性が食していた粟飯(女飯 オミナメシ)に見立てたという説などが挙げられます。 万葉の昔から愛好され、前栽、切花、漢方に用いられ、万葉集にも14首詠まれています。