2024 陽春の淡紅色の彩り
3月1日、東京都心の最高気温は16.4℃を観測し、10日ぶりに15℃を超え、3月下旬並みの陽気に恵まれました。 日本橋本町1~4丁目の「あじさい通り」に植栽されている、早咲きの「オカメザクラ」が咲き揃い、見頃を迎えています。 オカメザクラは、イギリスの桜研究家のコリングウッド・イングラムが、カンヒザクラとマメザクラを交配して作出した園芸品種で、低木で細い枝ぶり、小輪の一重咲き、黄色い葯の雄しべ、緋色の萼、淡紅色の花弁はやや半開で俯き加減に咲くのが特徴です。 オカメ(=お多福)の名に関しては、古くは、ふくよかな体型の女性は、豊穣、徳を表わし、所謂 "美人" の条件とされていたとの説に因み、日本風の名前を考えるに当たり、その繊細な花姿を日本美人に重ね、命名したのではないかと推察されているようです。 花色が濃く華やかでありながら、コンパクトな樹形に育つため、人通りが多くスペースが限られた場所の街路樹や、狭い庭のシンボルツリーとして重宝され、小輪多花性という特性を活かして、盆栽や鉢植えにも利用されると聞きます。 あじさい通りのオカメザクラは、当初日本橋本町1丁目界隈26本の植樹からスタートしたとされますが、現在は、千代田区との区界の日本橋本町4丁目まで凡そ700mに渡り、約70本の桜並木が続きます。 ヒヨドリが花蜜を求め木々を飛び回っています。