「四千両」リアルな伝馬町西大牢ー團菊祭五月大歌舞伎
歌舞伎座ロビーに入ると「團・菊」の胸像。五月恒例の團菊祭が始まっているのです。
「團菊祭」は皆様ご存知の通り、歌舞伎の近代化を進めた九世團十郎と五世菊五郎の功績を顕彰するものですが、歌舞伎座のパンフ(抜粋)によれば、「二人の没後33年に当たる昭和11年(1936)に初めて開催されました。朝倉文夫の制作による胸像が設置されたのもこの時です。戦中戦後の中断の時期を経て昭和52年(1977)に18年ぶりに復活。昭和53年には胸像も復元され、以後五月の恒例興行として続いています。」
いつもは歌舞伎座の2階に設置されている二人の胸像がロビー正面に移され、出演者も七代目菊五郎以下、音羽屋一門、当代團十郎の成田屋一門勢揃いです。
菊五郎さんが何回も演じられた「四千両」の富蔵を今回は松緑さんが初役で演じます。安政2年に実際に起きた江戸城ご金蔵破りを題材にした作品で登場人物も実名、伝馬町の牢に関係した人から取材したリアルな伝馬町大牢の場面はそれまで知られていなかった牢の内部が克明に描かれ初演時から大ヒットとなりました。
畳を積み上げた上に座る牢名主、新入りへの責め、牢で生き延びるための持ち込みの金子など、「地獄の沙汰も金次第」をリアルに感じさせてくれます。ご金蔵破りをする富蔵と藤岡藤十郎はもとは主従関係ですが、大胆な悪党の富蔵に対し、侍のくせに臆病でおどおどしている藤十郎の対照が面白い。
昼・夜共に見逃せない演目が揃っていますが、
昼の部では左団次さんの「一年祭追善」で得意とされた「毛抜」を息子の男女蔵さんが演じます。
昼夜ともに見逃せない演目が揃い充実の團菊祭です。
團菊祭五月大歌舞伎は26日まで。16日休演
昼の部 11時開演 「鴛鴦襖恋睦」(おしのふすまこいのむつごと)「毛抜」「極付幡隋長兵衛」
夜の部 16時30分開演 「伽羅先代萩」(「御殿」「床下」)「四千両小判梅葉」(しせんりょうこばんのうめのは)
お問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489 チケットWEB松竹 へ