第3回蔦重勉強会 蔦屋重三郎
浮世絵の街・日本橋『歌麿さん写楽さん北斎さんが歩いた街』
2025年1月よりNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~』が始まります。
江戸時代中期に活躍した庶民を題材にしたのは初めてのことです。
蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)筆名蔦唐丸という商業的な出版活動に留まることもなく、江戸の文化や芸術を創出・発信・発展させた出版人です。
第2回10月4日19時~20時20分の『蔦重勉強セミナー』 講師 増山一成氏(中央区教育委員会)に参加し、蔦屋が手掛けた地本・錦絵・大ヒット作家の発掘・育成そして躍動した時代と背景などを勉強しました。
第1回7月12日は19時~20時20分は開催していることを知らずに、参加できなくて非常に残念でした。
第3回は12月14日(土)10時 『浮世絵』 講師 牧野健太郎氏(浮世絵伝道師)・子供達のワークショップ(浮世絵刷り体験・江戸玩具体験)も予定されています。是非、皆様もご参加ください。
事前予約必要 詳細は以下URLよりご確認ください。
https://www.facebook.com/tsutaju.benkyokai
主催:蔦重勉強会(蔦屋重三郎を学ぶ日本橋の会)事務局☎03-3669-3093
協力:大伝馬町一之部・二之部・三之部町会・日本橋二の部連合町会・中央区
会場:常盤小学校別館2階体育館(中央区日本橋本石町4-4-20)
会場:常盤小学校別館2階体育館(中央区日本橋本石町4-4-20)
主催者のこの『蔦重勉強会』を立ち上げた想いをご紹介します。
「江戸時代、日本橋の通油町(現在の日本橋大伝馬町)には、浮世絵をはじめ唯一の情報発信ツールであった出版を担う有名版元が連なっていました。
有名絵師の歌麿・写楽・北斎が日本全国へそして世界へ羽ばたくきっかけとなった地が、日本橋となります。
その絵師たちを見出し、今でいうプロデュースをしたのが蔦屋重三郎です。
2025年大河ドラマは、この蔦屋重三郎を描いた物語。
この機会に蔦屋重三郎の事、浮世絵等の江戸文化の事、そしてわが街 日本橋の事を学び知る場として『蔦重勉強会』を立ち上げました。」
丁度、大河ドラマも2025年1月から始まると相まって、蔦屋重三郎熱は高まってきているところでしたので、グットタイミングでした。
油屋町の耕書堂 蔦屋重三郎の店
寛政11年(1799)葛飾北斎が挿絵を描いた狂歌絵本
『東遊あずまあそび』の1図「絵草紙店」
『蔦屋重三郎を学ぶ日本橋の会』代表の1718享保3年創業のはけ・ブラシの老舗
『江戸屋』(日本橋大伝馬町2)12代店主濵田 捷利会長がお話しくださる勉強会は第6回を予定している。
「10月大伝馬町恒例の『べったら市』と併せ、『蔦屋』で日本橋を盛り上げていきたい」とおっしゃっていました。
(日本橋経済新聞より抜粋)
江戸屋ホームページhttps://www.nihonbashi-edoya.co.jp/company/index.html
『耕書堂跡』は日本橋大伝馬町13番地
講師:増山一成(中央区教育委員会副参事)のセミナーより抜粋
狂歌本・黄表紙出版 太田南北肖像画
『図表でみる江戸東京』(江戸東京博物館、2017年)よりー一部改変で説明してくださったことが蔦屋重三郎の出版活動と取り巻きの文化人ネットワークが良く理解できました。
蔦屋重三郎(1750-97)47歳没
1775(25歳)『吉原細見』
1781-89天明元年-寛政元年(31-39歳)『天明狂歌歌壇への参加・交流・狂歌本の出版』
狂歌師 太田南北(1749-1823)四方赤良
・平安時代の名歌をまねてパロディ化した狂歌集!
・優れた狂歌人の肖像と狂歌を書き添えたパロディ歌仙集!
1781-91天明1年・寛政3年(31-41歳)『黄表紙出版の全盛』
1791年寛政3年 寛政の改革で蔦屋重三郎は過料による身上半減、
山東京伝も手鎖50日の処分を受ける。
黄表紙戯作者 朋誠堂喜三二(1735-1813)
・寛政の改革(文武奨励策など)を茶化した内容が好評だったが、発行禁止となる。
黄表紙戯作者・絵師 恋川春町(1744-89)
・喜三二作『万石通』の後編的作品で痛烈な社会風刺がヒットするも発行禁止となる。
黄表紙挿絵 北尾重政(1739-1820)山東京伝の師
黄表紙・洒落本戯作者・絵師 山東京伝(1761-1816)北尾政濱
・主人公の艶二郎は洒落た江戸っ子と真逆のお笑いキャラクター!
・神学を題材に擬人化された善玉・悪玉が登場する教訓マンガ!
・誰もが知る浦島太郎を題材にしたトンデモないストーリー⁉
美人画・役者絵の刊行 写楽の作品『三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛
(1764寛政6年5月河原崎座上演の恋女房染分手綱)』
1789寛政元年(39歳)『美人画の刊行』 喜多川歌麿(1753-1806)
・歌麿が描く女性たちは江戸でも評判の実在の美人!
・女性の姿態や繊細な表情・しぐさを捉えた美人画の傑作!
1794寛政6年(44歳)『役者絵の刊行』 東洲斎写楽(?)
有力説では、阿波徳島藩主蜂須賀家お抱えの能役者斎藤藤十郎兵衛であり、中屋敷の八丁堀に住んでいたと言われているそうです。約10ヶ月の短い期間に140点の作品を残し、忽然と姿を消した謎の絵師として知られています。
・役者の容貌を美化せず役柄を際立たせる大首絵!
・芝居の場面が浮かんでくるような臨場感を追求!
・役の個性を的確に捉えて演技や表情を生き生きと描く!
次世代の登用
十返舎一九肖像画
1795-6寛政7-8年(45-6歳)
『黄表紙』戯作者 十返舎一九(1765-1831)
『黄表紙・読本』戯作者 曲亭馬琴(1767-1848)
1797寛政9年(47歳) 没
『蔦重勉強会』予習・復習をして、自分なりの蔦屋重三郎を理解する!
第1・2回目講師 増山一成先生のお話では、このセミナーは後援会ではないので、この話をもとにそれぞれの勉強を深めてほしいとおっしゃっていらっしゃいました。
桜やよいも事前に予習をしてきました。来年のNHK大河ドラマ、しかも蔦屋重三郎を人気若手俳優の横浜流星さんが主役と話題は沸騰中です。
中央区観光協会特派員のブログにもいち早く蔦屋重三郎が登場しています。
ご紹介します。
『写楽・歌麿の仕掛人「蔦屋」生誕270年』 ブログ名 滅紫
『名プロデューサー 蔦屋重三郎』 ブログ名 ぴっか
https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=3974
『究極の新人発掘モンスター、蔦屋重三郎のお店・耕書堂は中央区にありました
併せて吉原についても述べます~蔦屋重三郎「耕書堂」跡~』
ブログ名 rosemary sea
https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=3988
『十返舎一九の『東海道膝栗毛』から「東陽院」と「灰、さようなら」のユーモア溢れる辞世の句』 ブログ名 桜やよい
https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=4214
(蔦屋重三郎を学ぶ日本橋の会 瀧 健太郎様の記事記載の承諾をいただきました)
第17回中央区観光検定のテーマ『蔦屋重三郎が生きた時代と今』
がピンポイントで10題入っています!
蔦屋重三郎という人を復習を兼ねて、桜やよいなりにウォチングしてみました。
25歳 吉原生まれ育ちの人脈を生かしての鱗型屋の基盤を継いで,『吉原細見』を独占出版し、吉原大門前に大店を出し版元になる。鱗型屋の抱えていた戯作者・絵師の恋川春町を始めに、多くの売れっ子絵師も耕書堂に連れていった人脈も蔦屋重三郎の成功に大きな要因となったと思われます。
33歳 吉原から版元・書店が多く集まる大伝馬町に進出します。『吉原細見』で多くの富を蓄えての最出発は蔦屋重三郎のさらなる飛躍を予知させます。このことも吉原での人脈を大いに使っての戦略が功を奏しました。今のビジネス展開にも匹敵する商いの素早さです。
41歳 豪華な『狂歌浮世絵絵本』を発行し、ベストセラーとなって巨大マーケットをほぼ独占し、大成功を収めます。次のターゲットに『政治的風刺黄表紙』を手掛け、大ヒットしたのは良かったのですが、寛政の改革で山東京伝・恋川春町は処罰され、重三郎も財産を半分没収されてしまいます。
43歳 若き絵師喜多川歌麿のスポンサーとなり、才能を開花するまで辛抱強くサポート。江戸でも評判の実在する美人画なので、今でいうブロマイドのような役割を果たし、またもや大ヒットになりました。歌麿の描く大首絵・美人画には、女性の内面から出る繊細な表情やしぐさが滲み出ていましたので、美人画市場を揺るがしました。
44歳 謎の浮世絵師、無名の新人だった東洲斎写楽をデビューさせ、10ヶ月の間に140点もの作品を売り出し、またまた大ヒットを更新。役者の容貌を美化せず、魂の底にある執念や悲しみが赤裸々に妥協がなく描かれていたので、役者絵市場を大いに揺るがしました。
47歳 番頭として育てていた曲亭馬琴や十返舎一九の大成を見ずして、脚気が死因でこの世を去ったことは非常に残念でした。
狂歌師の石川雅望は重三郎を「すぐれた気性をもち、度量が大きく細かいことにこだわらず、人に対して信義を尊重する」とこのように評価しています。
最後にご紹介するのは、『日本橋歴史アーカイブス』です。
来年1月より「蔦屋重三郎」のテーマで映像の上演がされます。
この蔦屋勉強会のお帰りには常盤小学校別館1階ギャラリーにお寄りください。
開催日 土・日・祝日 10時~20時30分まで
休館日 年末年始 12月29日~1月3日
入場無料
主催 常盤学校校友会
監修 竹内 誠 江戸東京博物館名誉館長
制作 一般社団法人 日本橋アーカイブス
(常盤学校校友会事務局様より、記事記載写真の承諾をいただいております)
お問い合わせ http://e-archives.org/