2024 冬空に映える深紅と濃緑のコントラスト
ツバキ(椿)は万葉の時代より日本人に親しまれ、絵画や詩歌の題材に取り上げられてきました。 花の少ない寒い季節に、生い茂る光沢のある濃緑の葉と鮮やかな深紅の花の組み合わせは絶妙なコントラストで、凛とした空気の中、冬空に映えます。 タチカンツバキ(立寒椿)はツバキ科ツバキ属の常緑樹。 ツバキの語源については、①光沢のある様を表わす古語「ツバ」転訛説、②葉の艶から「艶葉木」転訛説、➂「厚葉木」転訛説、④常緑性に因む「寿葉木」転訛説等、諸説あるようです。 サザンカ(山茶花)を母種とする園芸品種とされるカンツバキは一般的には低木ですが、当該品種は "立性” が強く、比較的早い時期から咲き始め、花期が長いのも特徴です。 また花は平開で、咲き終わると一枚づつハラハラと散るサザンカの形質を有します。 鳥媒花で、メジロなど多くの野鳥が花蜜を求めやってきます。 因みに「寒椿」「冬椿」は冬の季語ですが、「花椿」は春の季語です。 浜離宮恩賜庭園内梅林傍らのタチカンツバキの木立は見事で、暖かな陽ざしを浴び咲き誇っています。