蛎殻町の松

船が育んだ江戸

中央区を知るには、江戸時代からのまちの発展の歴史を知ることが不可欠だと思います。それにピッタリな書籍が出版されたので紹介します。

東京海洋大学「船が育んだ江戸」編集委員会編
船が育んだ江戸 物の運びがもたらす暮らしと文化』(海文堂)

目次構成は以下のようになっています。さまざまな分野の専門家11人が、それぞれの専門分野について執筆されました。江戸の歴史に興味がある方にとっては大満足が得られる、価値が高い内容になっていると感じました。しかも貴重な図や写真が多くて読みやすいです。詳しくは書籍に関するホームページをご覧ください。

第1章 海 ―海流・海難・海損
 1-1 廻船航路がもたらした江戸の発展
 1-2 日本周辺の海流の特徴
 1-3 操船学からみた「海難」
 1-4 物資輸送からみた「共同海損」
第2章 川 ―河川・運河・河岸
 2-1 江戸のまちづくりと河川舟運
 2-2 関東地方の河川と江戸・東京
 2-3 江戸市中の運河と流通
 2-4 江戸の河岸と、魚河岸の変遷
第3章 船 ―船・舟・船番所
 3-1 船の歴史と構造
 3-2 江戸の海運を支えた船(菱垣廻船・樽廻船と小型船)
 3-3 廻船建造都市の誕生と変遷
 3-4 利根川水系の水運 ― 高瀬船とその操船
 3-5 中川番所と小名木川の通行
第4章 恵み ―商品・取引・文化
 4-1 廻船で江戸を酔わせた上方の酒文化
 4-2 上州からの「山の幸」― 利根川で結ぶ江戸
 4-3 江戸湾からの「海の幸」― 江戸前の昔と今
 4-4 川と船が醸成した江戸文化