東京都による官公庁初の水素燃料電池船「つきじZERO」in 中央区
官公庁としては全国初となる、東京都による、水素燃料電池を搭載した船舶、「つきじZERO」。この全国でも珍しい船が中央区に係留されており、特別に内部を見学させて頂きました。
つきじZERO
タイトル画像の「つきじZERO」の後方に写っている、現在修繕工事中の橋。この橋がどこか、中央区観光検定に合格された方であれば、皆さんご存知だと思います。この橋のそばに、「つきじZERO」が係留されています。
「つきじZERO」は、東京都が「ゼロエミッション東京」の実現に向けて建造した、官公庁としては全国初となる、水素燃料電池と蓄電池による推進システムを搭載した環境配慮型船舶で、今年4月から就航しています。
水素燃料電池は、水素と空気中の酸素を化学反応させることで電気エネルギーを発生させる装置で、英語で“Fuel Cell”のため「燃料電池」という名前が付いていますが、「発電装置」です。水素燃料電池は、発電時に水のみを排出し二酸化炭素(CO2)を一切排出しないため、「つきじZERO」は、地球にやさしいエコな船舶です。
<つきじZERO 仕様>
最大搭載人員:14名(船員2名、旅客12名)
大きさ:全長11.7メートル×幅3.8メートル
総トン数:14トン
速力:時速約19キロメートル
主動力:水素燃料電池+リチウムイオン電池
用途:東京都職員輸送や河川工事の監督に使用する業務艇
所管:東京都建設局
「つきじZERO」の内部を見学させて頂きました!(通常は見学できません)
今年4月24日に、小池都知事が、水素燃料電池船「つきじZERO」を視察したことが、テレビや新聞等で報道されました。
名前に「つきじ」の冠が付いていることから、築地界隈に係留されているのではと思い、「浜ちゃん」はずっと探していました。「この美しいブルーのデザインの船は!」、ついに中央区の亀島川の最下流に架かる「南高橋」で見つけました(下の画像)。
早速、東京都建設局に連絡したところ、「中央区観光協会特派員ブログ」への掲載ということで、特別に、内部を見学させて頂けることになりました。また、見学の際、東京都建設局の方から、構造等についてご説明頂きました。東京都建設局様には、改めて、お礼申し上げます。ちなみに、「つきじZERO」のお披露目の後、通常運行になってからは、「浜ちゃん」が船舶内部に入った一般人「第一号」とのことでした。
当日は、南高橋の係留場所まで案内して頂くと、「つきじZERO」が目の前に!
「浜ちゃん」が、ずっと疑問に思っていた「つきじZERO」の名前の由来についてお伺いすると、以下のご説明がありました。
「南高橋のこの場所には、以前から、東京都建設局の「つきじ」という船が係留されており、「つきじ」の更新のタイミングで、「つきじZERO」が建造されました。「ZERO」は、CO2ゼロを表しており、東京都で名前の候補を10点示して、こども都庁モニターや東京都主催の河川シンポジウムで投票してもらい、最も多くの投票を集めた「つきじZERO」に決定しました。」
最初に、「つきじZERO」の構造について、ご説明頂きました。
(東京都建設局様より提供)
「水素貯蔵モジュール」に水素ガスが充填されており、その水素と空気中の酸素を反応させ、「燃料電池」で発電します。燃料電池で作られた電気は、下にある電気モーターに伝わり、船舶のプロペラを回転させます。
「つきじZERO」には、「水素貯蔵モジュール」が2台搭載されており、また、バックアップ電源としてリチウムイオン電池を搭載することにより、最大で約6時間程度の連続航行が可能です。
船に乗ると最初に、船底にある「リチウムイオン電池」を拝見させて頂きました。この蓄電池は、一般家庭の電力使用量に換算すると、約2~3週間分に相当する電力量を蓄えられるそうです。
その後、船内に案内して頂きました。下の画像は上から、「操舵席」、「旅客席」、「船内後方」です。
定員は、船員2名+旅客12名の計14名で、一般の遊覧船などと比べると、船内は比較的ゆったりとした印象です。また、船内後方には、水素燃料を燃料電池に供給するためのFGSS(Fuel Gas Supply System)の制御盤などが並んでいます。ディーゼルエンジン船にはない、この船ならではの特徴です。
船内を拝見させて頂いた後は、船の後方にある、「水素貯蔵モジュール」と「燃料電池」を拝見させて頂きました。
ここで「浜ちゃん」には、素朴な疑問がわいてきました。どうやって燃料(=水素)を入れるのだろう?? ディーゼルエンジン船のように、桟橋に燃料補給設備があるのだろうか??
お伺いすると、「これも一から作り上げたのです」とのご説明がありました。この船の水素貯蔵モジュール(下の画像)は取り外せるようになっており、モジュールをトラックなどで水素ステーションまで運んで、水素を充填後、船に再設置するのです。都内に水素ステーションは2箇所あるのですが、船舶用ではないため、この船の水素貯蔵モジュールに充填できるようにしたそうです。
なお、この船は、東京都の職員の輸送や河川工事の監督などに使用されており、一般の方は乗船できません。また、業務で使用中は、南高橋のそばには係留されていません。
ちなみに、現在、南高橋が修繕工事中で、水面から橋桁までの高さが低くなっているため、満潮時には南高橋の下をくぐることができない、とのことでした。満潮時のタイミングで見に行けば、「つきじZERO」に会える確率が高いかもしれませんね。
【アクセス、出典】
最寄駅:八丁堀駅
出典:東京都
(東京都建設局様に記事の内容をご確認頂き掲載しています)
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