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京橋図書館のあゆみと地域資料室
 ~ 中央区立京橋図書館 ~

『ギフト、そして自分も楽しむ』をジェネラルに取材します、rosemary  sea  です。

 

中央区立京橋図書館につきましては、2月19日に「京橋図書館 地域資料室の菅原さん」の記事をアップさせていただきました。

 

 京橋図書館のあゆみと地域資料室
 ~ 中央区立京橋図書館 ~

今回は京橋図書館の歴史を振り返るとともに、「現在の地域資料室」を中心にご紹介させていただきます。

中央区立京橋図書館 菅原健二さんに、今回もお世話になりました。

 

なお、上2枚の画像以外の画像及び歴史の注釈は、中央区立京橋図書館編集・発行の「中央区立京橋図書館 百周年記念」(平成26年10月発行)より載せさせていただきました。

それでは京橋図書館の歴史からご説明させていただきます。

 

1911年(明治44年)
東京市立京橋簡易図書館 開館

1911年(明治44年)
東京市立京橋簡易図書館 開館 京橋図書館のあゆみと地域資料室
 ~ 中央区立京橋図書館 ~

(画像は京橋尋常小学校です。)

現在の中央区からみますと、日本橋区(当時)にはその1年3か月前の1909年(明治42年)には、「東京市立日本橋簡易図書館」が、城東尋常小学校内に開館していました。

京橋簡易図書館は、京橋区金六町(当時)の京橋尋常小学校内に開館しました。

男爵森村市左衛門氏ほか区民有志607名の寄付を受け、図書約3,200冊を購入。

雨天体操場の一部を間仕切りして閲覧室としたほか、9坪あまりの部屋を書庫と事務室として使いました。

 

1912年(明治45年)
京橋第一簡易図書館に改称

現在の中央区立月島図書館が「京橋第二図書館」として月島尋常小学校内に開館が決まり、同年、実際には大正元年になってからですが開館しました。

月島に開館が決まったことで「京橋簡易図書館」は「第一」をつけることになりました。

なお、大正元年には図書の館外貸出を開始しました。

 

ただ、翌年には第一図書館が「京橋図書館」、第二図書館が「月島図書館」と、更に改称されました。

 

 

1922年(大正11年)
京橋図書館 移転

1922年(大正11年)
京橋図書館 移転 京橋図書館のあゆみと地域資料室
 ~ 中央区立京橋図書館 ~

同じ京橋区金六町に建てられた財団法人大礼記念京橋会館付属建物を無償で借り受け移転。

最大の特徴としては、

〇 全てが開架式書架であること。

〇 開設当初から児童閲覧室が設置されていたこと。

が、挙げられます。

そして東京市立図書館としては日比谷・深川・一橋に次ぐ独立館となりました。

 

閲覧数は4独立館中最少でしたが、館外貸出者数39,000人は都内で最多の実績でした。

延面積  347㎡

蔵書   10,152冊(大正12年8月末)

閲覧人員 一日平均468人

 

1923年(大正12年)
関東大震災により焼失

13,401冊の図書が焼けてしまいました。

ですが翌年には、焼け跡に建てられた仮建築で開館しました。

 

1927年(昭和2年)
京橋区木挽町へ移転
1929年(昭和4年)
複合施設として新築開館

1927年(昭和2年)
京橋区木挽町へ移転
1929年(昭和4年)
複合施設として新築開館 京橋図書館のあゆみと地域資料室
 ~ 中央区立京橋図書館 ~

木挽町へ一時移転後、京橋区築地1丁目に京橋区役所・京橋公会堂との複合施設として建設され、当時の日本最大の開架式図書館として開館。

超近代的な図書館として高い評価を受けます。

 

 京橋図書館のあゆみと地域資料室
 ~ 中央区立京橋図書館 ~

1階には児童室と事務室、新聞閲覧室と雑誌閲覧室、2階には目録室と男子閲覧室、3階には婦人室、屋上にガラス張りの日光消毒室がありました。

また、開館と同時に実業図書室を開設し、200種類以上の新聞・雑誌、商報類・名簿・広告資料など3,000冊の参考図書を揃えていました。

延面積  約2,113㎡

蔵書   16,900冊(昭和4年3月末)

閲覧人員 一日平均339人

 

 京橋図書館のあゆみと地域資料室
 ~ 中央区立京橋図書館 ~

(画像は当時の京橋図書館内です。ご覧のとおり、吹き抜けとなっています。)

 

1943年(昭和18年)
東京府と東京市が合併、東京都が誕生、
それに伴い東京都立図書館となる

1947年(昭和22年)
日本橋区と京橋区が合併、中央区誕生
1950年(昭和25年)
都から移管され、中央区立京橋図書館となる

1961年(昭和36年)
実業資料室を開設

当時近くに中小企業が多かったことから、経済書を中心に約1000冊揃えた36席の「実業資料室」を新設。

開館当初から「実業図書室」はありましたが、戦時中に自然消滅しておりました。

これを名を変えて復活させたのは都内で初の試みでした。

当時、新聞紙面にも多く取り上げられました。

現在は「参考調査コーナー」に変わっています。

 

1962年(昭和37年)
郷土資料室 開設

1970年(昭和45年)
新館オープン

1970年(昭和45年)
新館オープン 京橋図書館のあゆみと地域資料室
 ~ 中央区立京橋図書館 ~

1967年(昭和42年)に区役所本庁舎建て替え工事のため、一時業務を有馬・京華・城東の各小学校に分散させていましたが、現在の区役所本庁舎地下1・2階に開館しました。

延面積  2,553㎡

蔵書   86,371冊(昭和45年4月)

閲覧人員 一日平均578人

 

 京橋図書館のあゆみと地域資料室
 ~ 中央区立京橋図書館 ~

(画像は中央区役所です。)

 

 京橋図書館のあゆみと地域資料室
 ~ 中央区立京橋図書館 ~

(一般カウンター)

 

京橋図書館の特色

京橋図書館は、100年を超える歴史の中で収集した貴重な資料を所蔵しています。

戦災を免れたこともあり、戦前に発行された図書や演劇関係の資料、内務省で検閲を受けた図書などが所蔵されている数少ない区立図書館のひとつです。

これらの資料は原則として、資料保存の観点から貸出はできませんが、閲覧は可能です。

複写につきましては申請が必要です。

なお、マップ検索やキーワード検索(場所・建物・川や橋など)で、画像データを見ることができます。

Webギャラリーでもテーマに応じて画像を紹介されています。

http://www.library.city.chuo.tokyo.jp/

 

 

地域資料室につきまして
菅原さんインタビュー

江戸を語る時って、その大部分は中央区なのです。

「地域資料室」は日本史の江戸ではなく、「江戸」という都市の資料を集めているところです。

まち歩き関係も結構集めている、というのが特色のひとつです。

文化財関係はこの一角にまとめてありますが、なぜここにあるかと言いますと、徳川家康が江戸に入って最初にまちづくりを始めたのは日本橋本町なんですよ。

(徳川家康は)もちろん自分ではやらないですよ。

官僚に作らせ始めた、町割りをした、というんですかね。

日本橋の橋を作る前に、日本橋本町、今はちょっと場所が変わっていますけど、そこが最初のまちづくりの起点ということで、都市計画が行われました。

 

中央区を含めて都心というのは、関東大震災で大きく復興事業が変わっているんです。

それで帝都復興事業とか、もうこういうふうに変わった、というのを見るために集めてます。

昭和通りが一号ですから、新たに道路を作った、というのも集めています。

それと、人形町に吉原がありましたね。

それで風俗関係、良いか悪いかではなくて、遊郭とか江戸時代の必要悪といいますか、必要に迫ったといいますか、そういった資料も収集の対象です。

 

「天下祭」の山王とか神田の氏子の大半は日本橋の大店(おおだな)なんですよ。

それで祭りがあって集めているのもあります。

今言いましたとおり、中央区って江戸東京の中心で、水の都なので、江戸の川、東京の川。

関東大震災後の帝都復興事業で近代建築のビルがたくさんできて、その関係。

江戸城も建築関係。

この奥は地元の企業、顔とか施設とか、日本橋地区が江戸東京の商業の発祥の地ですから。

日本橋魚河岸関係、日本橋から築地、更に江東区の豊洲に移ってしまいましたが、市場関係も。

画塾の発祥の地でもありますし、演劇・歌舞伎、主題を決めて収集しています。

 

(日本初のタウン誌といわれる)「銀座百点」も(1955年の創刊号より)全部揃っています。

寄付を受けて23区と多摩の昭和37年の住宅地図、45年と48年のもあります。

「中央区年表」なども歴史がありまして、昭和30年代くらいから編纂して今もずっと続けています。

中央区関連の記事の切り抜きも、職員が毎日切り抜いて貼って、インデックスをつけています。

中央区全体と、月島と、銀座と、日本橋と京橋、あとは川関係、演劇関係と、それに東京湾、ずっと続けて、バインダーを分けて綴っています。

面白い処なんですよ、この資料室はね。

 

戦前の図書も24,000冊ほどありますし、内務省の委託本も2,400冊あったり。

こちらでは資料の提供をさせていただきます。

(江戸東京の昔について)お調べになりたい方は、ぜひこの地域資料室へいらしてください。

 

・・・菅原さん、ありがとうございました。

次回は「京橋図書館のこれから」についてご紹介させていただきます。

ご期待ください。

 

中央区立京橋図書館

築地1-1-1

03-3043-9025(図書館 代表)

03-3536-5680(地域資料室 直通)

開館時間 月~金曜日 9:00~20:00

     土曜日 9:00~19:00

     日曜日・祝日 9:00~17:00

      9:00~17:00(地域資料室)

休館日  第3木曜日、年末年始

 特別整理・施設保守点検のための臨時休館があります。

中央区立図書館 公式ホームページはこちら

⇒ http://www.library.city.chuo.tokyo.jp/