はじめ

ちょっと気になるビル@銀座の縁(8丁目)

1960年代から70年代にかけて、社会の変化や人口の成長に合わせて有機的に成長する都市や建築を提案したメタボリズム。日本の高度成長期に新陳代謝(メタボリズム)することを目指して設計されたビルが銀座の縁(8丁目)に2棟あります。

ついにお別れ、中銀カプセルタワービル

ついにお別れ、中銀カプセルタワービル ちょっと気になるビル@銀座の縁(8丁目)

所在地:東京都中央区銀座8丁目16-10

設計は黒川紀章。中央区観光協会特派員ブログで何度か取り上げられている、ユニークなカプセル型の集合住宅です。ワンルームのカプセルごとに交換することを想定し、メタボリズムの設計思想を明確に表現しています(但、実際にカプセル交換が実施されたことはないようですが…)。1972年の竣工から50年後の2022年4月に解体工事が始まりました。

現状がどうなっているのか気になったので、先日(2022年6月下旬)銀座へ出かけた際に立ち寄ってみました。ビルに囲いを設置中で、いよいよ見納めです。

まだまだ現役、静岡新聞・静岡放送東京支社ビル

まだまだ現役、静岡新聞・静岡放送東京支社ビル ちょっと気になるビル@銀座の縁(8丁目)

所在地:東京都中央区銀座8丁目3-7

設計は丹下健三。円筒形のコアから箱型のオフィスが張り出し、まさに有機的に成長するメタボリズムを表現したデザインです。その完成は中銀カプセルタワービルの竣工から5年遡る1967年ですが、いまのところ具体的な建て替えの話はないようです。JR新橋駅に近い「外堀通り」「銀座コリドー通り」「御門通り」が交わる土橋交差点の角に建っています。

 ちょっと気になるビル@銀座の縁(8丁目)

ちなみに、2021年4月に解体工事が始まった築地1丁目の電通本社ビル(2代目)も、丹下健三が設計したメタボリズム建築です。土橋交差点から築地まで足を延ばしてみましたが、囲いに覆われ、その姿を見ることはできませんでした。既に塔屋は撤去されているようです。個人的には一抹の寂しさを感じています。

※写真左は2020年12月、写真右は2022年6月に撮影。