五月雨ジョージ

「桃乳舎」~残したい名店~

1910年(明治43年)、日本橋小網町に東京初のカフェ「メイゾン鴻乃巣」がオープンしました。今は鎧橋のたもとに設置された中央区の旧跡案内板が、当時の様子を伝えるばかりです。

 しかし、この案内板のすぐ近くには、メイゾン鴻乃巣よりも早く創業し、現在も隠れた繁盛店として営業している「桃乳舎」(とうにゅうしゃ)があります。

 

「桃乳舎」の創業は1889年(明治22年)。明治初頭に牛乳が飲まれるようになり、徐々に量り売りの宅配が行われるようになっていった時代。桃乳舎は牛乳販売店として創業しました。

 その後、来店するお客様のためにテーブルと椅子を用意、早くから「ミルクホール」の先駆けとして日本の喫茶文化の変化を反映させてきたお店です。現在の建物は昭和8年に建て替えられたものと言いますから、戦火を免れてきた強運の建造物なのです。

 「桃乳舎」~残したい名店~

◀時代の変化を見守ってきた「桃」のレリーフ。

戦後、東京に喫茶店が復活するようになると、喫茶&軽食店として再オープン。そして現在では「洋食ランチ食堂」としての営業がメインとなり、昭和の“サラリーマン”から令和の“ビジネスパーソン”にいたるまで、近隣会社員のお腹を満たし続けているのです。

桃乳舎のメニュー

桃乳舎のメニュー 「桃乳舎」~残したい名店~

▲「ポークカツライス」(600円)

桃乳舎で特筆すべきはそのメニュー。近年、消費税分として20円ばかり値上がりしたとは言うものの、その値段にはビックリ! 昭和の映画に登場してもおかしくないような下町値段。しかも料理の味、盛りに手抜きなし。まさに大衆のための大衆食堂! 

食事メニューは、カレーライススパゲティ(ナポリタン)の470円から、カツライスポークソテーが600円、一番高いメニューがエビフライライスの700円。ランチ(日替わり)はなんと500円!

 「桃乳舎」~残したい名店~

▲カツカレー(左)とハンバーグライスのハンバーグ

 

人気メニューはカツカレー(550円)とハンバーグライス(500円)だそうです。

 ライスの大小、付け合わせ(キャベツ、スパゲティ)の大盛りなど、常連さんはカスタマイズして注文しています。

 「桃乳舎」~残したい名店~

▲店頭ショーケース(左)と店内もイイ感じ!

 

 日常的にランチで利用している私としては、あまり教えたくないお店ですが、教えずにはいられない、というのもまた本音です。

 

●最後に、「桃乳舎」さんに初来店する際の注意事項を期しておきます。

(1)食事時の入店順番待ち、および相席はお覚悟のこと

(2)現在、夜の営業はありませんのでご承知おきを

(3)長身の人は入店時、頭に注意(現在の規格より入口が小さいため)

(4)全面喫煙可(ランチの混雑時に火をつけるような常連さんはいませんが)

(5)男性天国(同僚の女性が行ったランチ時も女性客はゼロだったようです)

以上。

店舗情報

店舗情報 「桃乳舎」~残したい名店~

店  名 : 桃乳舎(とうにゅうしゃ)

住  所 : 東京都中央区日本橋小網町13-13

営業時間 : 11:00~16:30

定  休  日 : 土曜・日曜・祝日

 

※当ブログ掲載に当たっては桃乳舎様より許可をいただいております。