浜ちゃん

「中央区とのご縁:べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜⑦」
~「耕書堂」(日本橋通油町):蔦屋重三郎~
「中央エフエム」ラジオ放送決定!6月26日(木)12:00, 18:00

「浜ちゃん」の「中央区とのご縁:べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」についてのインタビューが、ラジオ「中央エフエム」の番組「Hello!RadioCity」で626()12:0013:0018:0019:00に放送予定です!「中央エフエム」→https://www.jcbasimul.com/radiocity

“べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜” 第23話「我こそは江戸一利者なり」

615日(日)放送の第23話では、蔦重(演:横浜流星)が手掛けた狂歌の指南書「浜のきさご」などが飛ぶように売れ、耕書堂は江戸で大注目となり、蔦重も江戸一の「利者(ききもの)」と呼ばれ大ブレイクしている様子が描かれていました。そんな時、蔦重は、土山宗次郎(演:栁俊太郎)から日本橋に店を持たせてやろうかと持ちかけられ、心が動きかけたところに、須原屋市兵衛(演:里見浩太朗)からも日本橋に進出することを強く勧められ、更には、未だに差別的な扱いをされている吉原に恩返しするためにも、日本橋に進出することを固く決意しました。

耕書堂(日本橋通油町)

耕書堂(日本橋通油町) 「中央区とのご縁:べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜⑦」
~「耕書堂」(日本橋通油町):蔦屋重三郎~
「中央エフエム」ラジオ放送決定!6月26日(木)12:00, 18:00

天明3年(1783年)9月、蔦重33歳のとき、地本問屋の老舗・丸屋小兵衛の店舗と蔵を買い取り、日本橋通油町に「耕書堂」を出店しました。丸屋小兵衛から地本問屋としての製作・流通に関わる利権も購入し、名実ともに、吉原の本屋から江戸の地本問屋へと転身したことになります。

日本橋地域は江戸経済の中心であり、大店の商家も多く、須原屋や鶴屋など大手の出版社(書物問屋や地本問屋)もずらりと軒を連ねていました。蔦重は、多くの一流の版元がある日本橋に店を構え、さらなる飛躍を期したのでしょう。

タイトル画像は、「耕書堂」を描いた絵で、ご存知の方も多いと思います。向かって左奥にいる人物が店主と推察されますが、ドラマの中の蔦重のイメージとは、随分かけ離れていると思いませんか?

葛飾北斎の浮世絵「画本東都遊(えほんあずまあそび)」の中に、「絵草紙店(えぞうしだな)」と題して、タイトル画像にある耕書堂の店内が描かれています。向かって左奥には武家を笑顔で接客している禿頭の男がおり、風貌が老年で枯れており細面、いかにも店主然としています。

一方で、画像(白黒)は、蔦重永眠の年の寛政9年(1797年)に刊行された「身体開帳略縁起(しんたいかいちょうりゃくえんぎ)」に描かれた、蔦重最晩年の姿です。蔦重はスキンヘッドではなく、少年のように豊かな頬をしたエネルギッシュな姿で描かれています。

北斎の「画本東都遊」の原画「東遊」は、蔦重没後の寛政11年(1799年)刊行であり、タイトル画像の「画本東都遊」に描かれた細面で禿頭の店主は、二代目蔦屋主人ではないかと言われています。

(タイトル画像出典:葛飾北斎画「画本東都遊」より「絵草紙店」、東京都立図書館)

(画像出典:作・蔦唐丸(=蔦屋重三郎)、画・北尾重政「身体開帳略縁起」、国立国会図書館デジタルコレクション(https://dl.ndl.go.jp/pid/9892980)

近隣の蔦重関連施設(イチマス田源、通油町ギャラリー、十思スクエア蔦重ギャラリー)

近隣の蔦重関連施設(イチマス田源、通油町ギャラリー、十思スクエア蔦重ギャラリー) 「中央区とのご縁:べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜⑦」
~「耕書堂」(日本橋通油町):蔦屋重三郎~
「中央エフエム」ラジオ放送決定!6月26日(木)12:00, 18:00

耕書堂跡には説明板しかありませんので、近隣の蔦重関連の施設をご紹介させて頂きます。全て入場無料です。

耕書堂跡の説明版は6月に新しくなり、随分、見つけやすくなりました。以前の説明版は目立たなかったので、テレビのロケで、芸能人が説明板の前をスルーする様子が放映されていました。

 ①イチマス田源

お店の2Fに、「耕書堂」が再現展示されており(画像)、浮世絵の作品も展示されています。

https://ichimasutagen.shopinfo.jp/pages/8435062/blog

②通油町ギャラリー

蔦重に関するパネル展示のほか、浮世絵をモチーフにした雑貨販売のスペースや、お休み処があります。

https://information.bonmax.co.jp/ToriaburachoGallery/

③十思スクエア蔦重ギャラリー

十思スクエア本館2階にあり、黄表紙や浮世絵が展示されています。

https://sites.google.com/view/tsutaju-gallery-nihombashi/

十思スクエアと十思公園には、平賀源内ゆかりの観光スポットがあります。詳細は、以下ブログをご覧ください。

伝馬町牢屋敷:平賀源内 https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=5849

石町時の鐘:平賀源内 https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=5861

皆様への御礼、これまでの振り返り

皆様への御礼、これまでの振り返り 「中央区とのご縁:べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜⑦」
~「耕書堂」(日本橋通油町):蔦屋重三郎~
「中央エフエム」ラジオ放送決定!6月26日(木)12:00, 18:00

最後に、ドラマも蔦重の日本橋進出という新たなステージがスタートしましたので、皆様への御礼と、これまでのブログの振り返りをさせて頂きます。

まずは、このブログをお読み頂いている皆様に深く御礼申し上げます。

お蔭様で、この「中央区とのご縁:べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」シリーズのブログが、ネットの検索結果上位に表示されています。また、この度はご縁があり、中央区のFM放送局「中央エフエム」で、このブログのインタビューが放送されることとなりました。誠にありがとうございます。

このシリーズを執筆開始した時に、「中央区の地図をベースに観光スポット(点)の情報を繋ぎ合わせて、「線」や「面」の情報として情報発信させて頂きます。」とお伝えさせて頂きました。これまでも情報発信させて頂きました通り、中央区とドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」との間には縦横の糸のように折り重なった深いご縁があります。

中央区以外に在住の皆様が、このブログを通じて中央区に関心を持っていただき、中央区の観光スポットに足を運んでいただければ、また、中央区在住の皆様にも、「こんなスポットがあったのか」と新たな発見をして頂き、区内の自宅近隣以外のエリアに足を運んでいただければ、中央区観光協会特派員冥利に尽きます。

例えば、これまでお伝えしたエピソードは。。。

      平賀源内は、その絶頂期に度々、日本橋にある薬種屋「長崎屋」(新日本橋駅近辺)でオランダ人と面会しており、近くにある江戸の時を告げる「石町時の鐘」を聴いて、「そろそろ飯にしましょうかねえ」などとオランダ人と会話をしていたかもしれません。そして、人殺しの罪で捕縛された伝馬町牢屋敷(小伝馬町駅近辺)の中で、罪人の死刑執行を告げる、同じ「石町時の鐘」を聴き、身を縮めていたのかもしれません。源内が栄枯盛衰いつも聴いていた「石町時の鐘」、この鐘が現在、平賀源内が最期を迎えた伝馬町牢屋敷跡にあるという、ご縁。(シリーズ①③↓)

https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=5849

https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=5861

      身請け後の瀬以(瀬川)は、日本橋のご近所を散歩している時に、トップページに自分の姿が描かれている「青楼美人合姿鏡」が本屋に並んでいるのを見つけて、驚いていたかもしれません。「青楼美人合姿鏡」を蔦重と共同出版した山崎金兵衛の本屋(日本橋十軒店)と、瀬以(瀬川)を身請けした鳥山検校の屋敷(日本橋、福徳神社近辺)は目と鼻の先にありました。瀬以(瀬川)は、「青楼美人合姿鏡」を、日本橋にある山崎金兵衛の店先で眺めていたかもしれない、というご縁。(シリーズ④⑤↓)

https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=5907

https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=5920

      中央区銀座に屋敷があった「木挽町狩野家」は、田沼意次から銀座木挽町の屋敷を拝領し、また、松平定信も「木挽町狩野家」から絵を学んでいました。更には、片岡鶴太郎さんが演じる「狩野派」の絵師「鳥山石燕(とりやませきえん)」は、ドラマの登場人物の、蔦重、喜多川歌麿、恋川春町、志水燕十、北尾重政といった人々と繫がりがあった、というご縁。(シリーズ⑥↓)

https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=5987

画像は、このシリーズの初回ブログでも使用させて頂きました、蔦重を描いた「箱入娘面屋人魚」(出典:東京都立図書館)です。

今後とも、中央区と「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」とのご縁について、「中央区在住の観光協会特派員」ならではの、きめ細かい情報をお届けできればと思っております。読者の皆様方のご愛顧の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

【アクセス】

【アクセス】 「中央区とのご縁:べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜⑦」
~「耕書堂」(日本橋通油町):蔦屋重三郎~
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小伝馬町駅の上に「十思公園」があり、その隣に「十思スクエア本館・別館」があります。本館2階に「十思スクエア蔦重ギャラリー」があります。

小伝馬町交差点に戻り、交差点から人形町方面を見ると、左手に三菱UFJ銀行がありますので、その角を曲がると「大伝馬本町通り」に入ります。通りを進むと、ホテル「東横イン」がありますので、その向かいの歩道脇に、蔦重の「耕書堂」跡の説明版があります。

そこから少し進むと、「通油町ギャラリー」がありあます。

大通り(人形町通り)に戻り、人形町方面にさらに進むと、角に吉野家がある交差点があります。そこを左に曲がるとすぐに、「田源」の看板が掲げられたビルがあり、2Fに展示ギャラリーがあります。

人形町駅(人形町交差点)や、馬喰横山駅(A1出口)からも徒歩圏内です。

【過去ブログ、参考資料・出典】

●過去ブログ:

      伝馬町牢屋敷:平賀源内 https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=5849

      浜離宮恩賜庭園:徳川将軍家の鷹狩場 https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=5856

      長崎屋、石町時の鐘:平賀源内 https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=5861

      日本橋 拾軒店:瀬川「青楼美人合姿鏡」https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=5907

      日本橋瀬戸物町(福徳神社):鳥山検校 https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=5920

      狩野派:鳥山石燕、田沼意次、松平定信 https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=5987

 

●参考資料・出典(ホームページ含む):

イチマス田源、蔦重通油町ギャラリー、十思スクエア蔦重ギャラリー

歩いてわかる中央区ものしり百科、中央区、国立国会図書館、東京都立図書館、国立文化財機構、東京国立博物館、NHK、プレジデント、サライ、ステラNet、東京都公園協会、浜離宮恩賜庭園、東京都、郵政博物館、「十軒店跡」案内板、福徳神社、京都大学、二条城、メトロポリタン美術館

 

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