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数年前に惜しまれつつ、姿を消した「楼蘭」が、銀座に復活したと聞いた時は、喜びで胸がいっぱいになりました。コロナ渦で、贔屓にしていた店が多数閉店してしまいましたが、復活してくれた店はほとんどないので、嬉しいです。

しかも、素晴らしいことに当時のシェフやサービススタッフが集結しての再オープンとのこと。人手不足に悩まされている昨今のレストラン業界で、他店で経験のあるスタッフは引く手あまたであろうところを、楼蘭復活のために戻ってきてくれるとは、なんとも嬉しいことです。

銀座コアビルは、2024年建て替えのため取り壊しとなり、新生「銀座楼蘭」は銀座7丁目にある「GINZA ｇCUBE」10階にオープンしました。大きな窓から光が差す明るい店内は、先代の「楼蘭」が重厚感あるオリエンタルな雰囲気であったのに対して、優しい色のファブリックと花々で彩られた上品で落ち着きのある空間になっています。

新オーナーは、幼いころから「楼蘭」へご家族と訪れていた常連客の1人だった方。そのため、復活の際には、かつての「楼蘭」の味とサービスのクオリティを再現することに力を注いだそうです。

試食会で、季節の食材を味わうディナーコース「凛～りん～」（全8品、23000円）をいただきましたが、最初の前菜盛り合わせから、懐かしい「楼蘭の味」に感激しました。塩味をベースとした広東料理は、素材の持つ個性をシンプルな調理法で最大限に引き出します。調理法はシンプルでも、決して薄味なわけではなく、どの料理も、口に含むとうま味がほとばしります。どれを食べても、本当に美味しい！

新生「楼蘭」は、新しいことにもチャレンジしています。カウアイシュリンプのチリソース煮（1300円）は、海老を殻ごと使い、ハワイ料理のガーリックシュリンプと中華の定番エビチリを合わせたような新メニュー。エビ味噌入りの濃厚なチリソースが絶品です。

抹茶紹興酒ハイボール(1000円)は、「抹茶」と「紹興酒」を合わせてソーダで割ったオリジナルドリンク。抹茶と紹興酒は意外な組み合わせですが、これがとてもよく合うのです。食前酒にオススメの1杯です。

カウンター席を新たに設けたところも嬉しいです。ウェイティングバーとして、前出の「抹茶紹興酒ハイボール」をいただいたり、お一人様で食事を取ったりすることもできます。

一度ではなく、季節を変えて、一緒に行く相手を変えて、何度も訪れたくなる店。筆者にとって、楼蘭の復活は、今年最大のハッピーニュース。これからも、末永いお付き合いとなること、間違いなしです。

【銀座楼蘭】

住所：東京都中央区銀座7-9-15 GINZA gCUBE 10F

電話：03-6228-5971

営業時間：11:30～22:00 (LO 21:00)

定休日:不定休