2026 新春の安らぎ「艶やかな黄花の馥郁たる香り」
厳冬期のまだまだ花数の少ない季節ですが、浜離宮恩賜庭園の潮入の池の畔、松の御茶屋近くの手洗場脇には、温かな陽光を浴び、光沢のある質感の可憐な黄色い花「素心蠟梅(ソシンロウバイ)」が咲き揃い始め、静謐で穏やかな芳香が漂っています。 中国原産のロウバイ科ロウバイ属の落葉低木で、蠟梅の「蠟(蝋)」の由来については、蝋細工や蜜蝋に見立てたとも、臘月(陰暦12月の別称)に咲くことに因んだとも言われ、またウメ同様寒い時期に開花し、香りが強く花柄が短く花が枝に纏まって付く類似点から植物学上は種は異なるが「梅」の名がついたとされます。 中国では山茶花(茶梅)、梅(玉梅)、水仙とともに「雪中四友(花)」の一つに数えられ、早春の画題として好まれ、江戸時代初期に日本に渡来したと伝わります。 基本種のロウバイは外側の花被片は淡黄色、内側の花被片は茶褐色ですが、ソシンロウバイは花被片全体が鮮やかな黄色で、葉に先駆けてやや俯き加減に咲き、満開時には樹全体が明るい黄色に染まります。 ニホンスイセンの香りにも似た上品で清々しい香りは、リナロール、ボルネオール、シネオールなどの精油成分由来とされ、ウメと比べても強く明瞭で、その馥郁とした香りには安らぎを覚えます。 庭木としてだけでなく、生け花、茶花、盆栽、鉢植えなどにも利用されています。
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