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2026 麗らかな早春の陽を浴び 芳香漂う大名庭園の梅林

 2026 麗らかな早春の陽を浴び 芳香漂う大名庭園の梅林

 梅は中国原産のバラ科バラ属の落葉小高木で、中国文化とともに薬木として渡来したとされ、多数の園芸品種があります。     観賞価値の高い 花/香り/幹の形や枝ぶりの「花梅」と、薬や食品加工用に向く良質の実を付ける「実梅」に分けられ、目的の違いにより剪定方法や肥培管理など栽培方法が異なると聞きます。     寒い時期にいち早く開花し、中国では寒中にも色褪せない松、竹と共に「歳寒三友」と称され、文人画題として好まれ、国内では "目出度い" ものの象徴「松竹梅」として、古くから日本人に親しまれ、万葉集にも萩に次ぐ歌数の119首詠まれ、その上品で馥郁たる香りは人々を魅了してきました。                  中国文化の影響が色濃かった平安遷都当初、内裏の紫宸殿の前庭に右近の橘に対して左近の梅が植えられたのも、花の中でも格の高い存在として認識されていた様子が窺えます。                           2月は別名 梅見月。江戸時代「梅に始まり菊に終わる」と称し、季節毎花見を楽しんでいたとされます。浜離宮恩賜庭園内では、大手門出入口近辺の「白滝枝垂」「藤牡丹枝垂」「満月枝垂」、お花畑から旧稲生神社周辺の「八重寒紅」「八重野梅」「甲州最小」、花木園の「冬至」「紅千鳥」などの早咲き種に続き、園内約130本の内、約80本植栽されていると聞く梅林の梅も漸う咲き揃い始めています。       11代将軍家斉が好んだとされ、梅の女王とも呼ばれ見る者を驚かせる程の花姿が名の由来とされる八重咲きの淡い桃色の大輪「見驚(ケンキョウ)」、枝や萼が黄緑色で清楚な印象の「緑萼(リョクガク)」、"花梅""実梅" 双方兼ね備えた「豊後梅」、1本の木に紅·白·絞りなど様々な色合いの花を咲かせ「輪違い(リンチガイ)」とも称される八重中輪の変わり種「思いの儘(ママ)」等が植栽され、島状のエリアの北側の園路は現在改修工事のため通行出来ませんが、周囲を歩きながら梅の香を堪能できます。              梅園を飛び回るメジロの愛らしい姿は、待ち焦がれていた春の到来を感じさせる一コマです。