隅田川沿いで出逢う一日花
汗ばむ陽気が増えるこの季節、涼を求めて隅田川月島緑道へと足を運ぶと、今年も爽やかな新緑のなかに、可憐な花がそっと姿を現してくれました。この季節に毎年恋しくなる「夏椿」です。
夏椿の最大の特徴は、朝に開花し、夕方には美しい形のままぽとりと落花してしまう「一日花」であることです。
「昨日はあんなに綺麗に咲いていたのに」と思う間もなく散ってしまうその儚さ。しかし、地面にまるごと白い花を落とした姿もまた、絨毯のようで風情があります。ぱっと咲いて潔く散るさまは、どこか凛とした美しさをたたえています。
茶道において大切にされる「一期一会」の精神。
利休居士は、まさにこの「今日、この瞬間にしか逢えない儚さ」に深い意味を感じ入り、茶席に飾る花として選ばれたのかもしれません。
中央区の喧騒から少し離れ、隅田川の川風に吹かれながらこの花を眺めていると、忙しい日常のなかで「いま、この瞬間」を大切にする心地よさを思い出させてくれます。
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