【マップ付】《2026年最新版》東野圭吾作品「新参者シリーズ」ゆかりの地(舞台&ロケ地)・人形町聖地巡礼 おすすめルート(その2)
タイトル画像は、「祈りの幕が下りる時」で描かれている、今年7月開催の「日本橋の橋洗い」です。東野圭吾さんの大ファンの日本橋地元民「浜ちゃん」が、どこよりも詳しい、「新参者シリーズ」ゆかりの地巡り・聖地巡礼をご紹介します!
「新参者シリーズ」(新参者、麒麟の翼、祈りの幕が下りる時)ゆかりの地(舞台・ロケ地)巡り・聖地巡礼(その2)
東野圭吾作品「新参者シリーズ」の本を片手に、登場人物になりきって、物語の舞台となった人形町界隈を巡ってみましょう。
今回は、前回(↓)の続きで、ロイヤルパークホテルから人形町交差点方面に戻り、甘酒横丁を通り、浜町公園に向かいます。
https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=7254
「新参者/第三章 瀬戸物屋の嫁」に登場したのが、瀬戸物屋「柳沢商店」で、小説では、加賀がタクシーを降りてから歩いて「柳沢商店」を訪ねています。水天宮交差点から加賀が歩いたのと同じルートを歩いていくと、「こだわりの器 紅とも」に着きます(地図①)。小説の「柳沢商店」と「紅とも」は、お店の様子などが異なりますが、人形町で地元民にも愛されている「紅とも」が「柳沢商店」のモデルだと思われます。
甘酒横丁の交差点まで戻り、ドン吉の散歩コースである甘酒横丁を浜町公園に向かって進みます。
甘酒横丁は、「新参者/第一章 煎餅屋の娘」で、「昔ながらの江戸情緒が残っており、三味線や行李を売っている店がある」、また、「麒麟の翼」では、「つづらに三味線、茶卸といった文字はほかの街ではまずお目にかかれない」と描かれています。
甘酒横丁の入り口には、「⻁家㐂(とらやき)」(どら焼き)で有名な「玉英堂」があります(地図②)。この場所には以前、「尾張屋」という甘酒屋があり、これが「甘酒横丁」の名前の由来となりました。「玉英堂」については、以下のブログでご紹介させて頂いております。
https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=6935
「玉英堂」の隣には、昭和8年開業の老舗洋食店「芳味亭」があります(地図③)。「芳味亭」に勝新太郎さんがよく来店されていたことは地元では有名な話で、また、作家の向田邦子さんもお気に入りだったといわれています。
「芳味亭」は、「麒麟の翼」で、加賀が松宮と一緒に金森登紀子と食事をした、「人形町の大門通りに入ったところにある、一昔前の民家のような二階建ての店」として描かれています。以前は、小説で描かれた通りのお店でしたが、現在は、移転して甘酒横丁にあるビルにお店があります。小説で描かれている、以前の「芳味亭」の様子は、以下のHPで見ることができます。
https://houmitei.com/about/history/
通りの向かい側に行くと、香ばしいお茶の香りが漂ってきます。茶卸小売「森乃園」で、店頭には「茶卸小売商」の看板が掲げられています(地図④)。大正3年の創業以来、店舗でほうじ茶を自家焙煎しており、お店の3階にある大きな焙煎機で焙煎されたほうじ茶が販売されています。
「森乃園」の先には、つづら(行李)を取り扱う、江戸時代から続く老舗「岩井つづら店」があります(地図⑤)。ここは、伝統を守り抜く都内で唯一のつづら店で、中央区まちかど展示館になっています(↓)。
https://www.chuoku-machikadotenjikan.jp/tenjikan/tsudura/
甘酒横丁には、以前、大正6年創業の三味線屋「ばち英」がありましたが、残念ながら閉店となりました。
(上から、玉英堂、芳味亭、森乃園、岩井つづら店)
「岩井つづら店」の隣には、玉子焼・やき鳥の「鳥忠」があります(写真上段、地図⑥)。「新参者/第六章 翻訳家の友」で、被害者の三井峰子の友人「多美子」の恋人「コウジ」に、「人形町の名物」として加賀が持参したのが、「鳥忠」の玉子焼です。
また、「新参者/第七章 清掃屋の社長」の中で、「喫茶去 快生軒」で、加賀が被害者の三井峰子の息子の弘毅に、「この町は面白い。少し歩くだけで、いろいろな発見がある。焼鳥屋さんの一番の名物が卵焼きだとかね。」と語っていますが、これも「鳥忠」です。
人形町には、もう一軒、玉子焼が名物の焼鳥屋さんがあります。人形町通りにある「鳥近」(写真下段、地図⑬)で、地元の人たちは昔から、ここの玉子焼を買うのが年末の恒例になっています。甘酒横丁にある「鳥忠」がドラマのロケ地になったため、「鳥忠」が物語のモデルとされていますが、もしかしたら、小説のモデルは「鳥近」なのかもしれません。
通りの反対側を見ると、東京三大たい焼きとして有名な、大正5年創業の「柳屋」があります(地図⑦)。小説「新参者」には、たい焼き屋は登場しませんが、ドラマ「新参者」の中で、加賀(演:阿部寛)が毎回食べられないのが、こちらのたい焼きです。
いつもお店の外まで行列ができており、この日も20~30名ほどのお客様が並んでいましたが、並んで食べるだけの価値があります。
「柳家」で小休止した後は、通りの右側をそのまま浜町公園に向かって進みます。
しばらく歩くと、昭和3年創業の老舗の手焼き煎餅店「草加屋」があります(地図⑧)。ここは、「新参者/第一章 煎餅屋の娘」の菜穂の家「あまから」のモデルとなったお店で、ドラマのロケ地にもなりました。
「草加屋」では、職人さんが、備長炭で一枚一枚、丁寧にお煎餅をひっくり返しながら焼いており、その姿をガラス越しに見ることができます。多くの芸人にも愛され、こちらで売られている手焼は、三代目桂三木助師匠が弟子に食べられないように「金庫に隠した」という逸話が残っています。
さらに進むと、「日本橋ゆうま」があります(地図⑨)。ここは、「新参者/第八章 民芸品屋の客」に登場する民芸品屋「ほおづき屋」のモデルになったお店で、ドラマのロケ地にもなりました。小説で描かれている通り、店先には大中小3種類の木製の独楽やでんでん太鼓などが置かれています。
「新参者/第八章 民芸品屋の客」に、「もう一軒、独楽を売っている、人形町通りに面した、店主・佐川徹の玩具屋」として描かれているお店のモデルは、「ちどり屋」です。「ちどり屋」は、(その1)でご紹介させて頂きました、日本橋小学校のそばにありましたが、現在は閉店しました。
前方に緑が見えてきます。ここは、「新参者/第四章 時計屋の犬」の「ドン吉」の散歩コースの途中にある、「浜町緑道」です(地図⑩)。小説で描かれている通り、勧進帳の弁慶像が入り口に立っており、道路の分離帯を兼ねた細長い公園です。
ここは、「麒麟の翼」で、容疑者の八島冬樹が潜んでいた場所としても登場しています。現在、浜町緑道は改修工事が進められており、広く綺麗な緑道に生まれ変わりつつあります。写真下段は、弁慶像の向かい側にある改修後の浜町緑道で、改修後は隠れる場所は無くなりそうです。
そのまま進み、清州橋通りを越えると、明治座があります(地図⑪)。「祈りの幕が下りる時」で、角倉(浅居)博美演出の芝居が行われていた劇場で、彼女が初舞台を踏んだ場所でもあります。
明治座の前を通り過ぎると、浜町公園に到着します(地図⑫)。ここは、「第四章 時計屋の犬」の「ドン吉」の散歩コースのゴールです。加賀が彰文に語っていた通り、「犬好き人間たちのコミュニケーションの場」になっており、毎日、犬を連れた飼い主が集まり、会話を楽しんでいます。
また、浜町公園には、「祈りの幕が下りる時」に登場した、「中央区立総合スポーツセンター」があり、地下1階には、加賀が剣道をしたとされる道場があります。
(上から、明治座、浜町公園)
人形町から少し離れているので、今回ご紹介したルートには入っていませんが、「麒麟の翼」でキーとなった「折り鶴」の折り紙を販売しているお店は、創業370周年を迎えた和紙の専門店「小津和紙」です(「麒麟の翼」で登場した折り紙「和紙十色」は、現在販売されておりません)。「麒麟の翼」で描かれている通り、「小津和紙」は、日本橋本町三丁目の昭和通り沿いにあり、1階に店舗と手漉き和紙体験工房があり、2階はどなたでも無料で見学できるギャラリーになっています。
小津和紙:https://www.ozuwashi.net/
小津史料館:https://www.chuoku-machikadotenjikan.jp/tenjikan/ozu/
人形町には、東野圭吾さんの小説に描かれていない老舗がたくさんあります。人形町の老舗を知りたい、という方におススメなのが、向田邦子さんの著書「女の人差し指」の中の「人形町に江戸の名残を訪ねて」で、老舗のお店が多数紹介されています。今から40年以上前の昭和57年発行の本なので、無くなったお店もありますが、多くのお店が現在も人気店として残っています。まち歩きの参考にされてはいかがでしょうか。
最後に。。。
東野圭吾さんが、2026年7月23日、68歳という若さで永眠されました。東野圭吾さんは日本橋地区の小説を多く遺し、「新参者」シリーズは人形町が、ガリレオシリーズで直木賞を受賞し映画化された「容疑者Xの献身」は浜町が舞台でした。「マスカレードホテル」は蛎殻町のロイヤルパークホテルがモデルで、また、新参者の映画「麒麟の翼」は日本橋が舞台で浜町緑道もロケ地になりました。
最新作「永遠の記憶」も素晴らしかったです。たくさんの素晴らしい作品をありがとうございました。
また、人形町をはじめ日本橋を盛り上げて下さり、ありがとうございました。
東野圭吾さんのご冥福をお祈りいたします。
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