君よ、風を巻き起こせ!
2019年9月15日の今日は、
東京2020オリンピックまで313日。
東京2020パラリンピックまで345日。
日本橋南詰東側に見える、野村證券本店に設けられた電光掲示板が表示していた。
完成が近づく新国立競技場に隣接する明治神宮外苑のイチョウ並木発着場。
MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)は、8時50分に男子、9時10分に女子がスタートした。
オリンピック日本代表選考も兼ねた競技会である。
TBSとNHKがタッグを組んだ、詳細に渡る解説付きの番組を見ていようかと思ったのだが、それは歯がゆい。
時間を計り、日本橋へ向けてダッシュした。
駅伝などでの活躍で、出場選手の多くが知られている。
沿道からの、一人ひとりの名前を呼びかける応援も、この競技会だからこそだろう。
沿道の観客数は、52万人を超えたという。
競り合う選手達。
オリンピック内定者は、上位2位まで。
デットヒートが繰り広げられる。
選手達が目の前を飛んでいく。
応援する声に力が入る。
目を上げると、日本橋三越本店の正面玄関の上部にある、ローマ神話のマーキュリー像。
ギリシャ神話ではヘルメス。
商業の神であり、富を司る。
翼の生えた帽子とサンダルを履き、ゼウスの言葉を神々に伝えるのだ。
走り抜ける選手達のスピード感は、天を翔る神の姿をも想い起こさせた。