からくり時計は、人形町のシンボル櫓(やぐら)。
10月のブログには、「第31回てんてん祭」を取り上げたいと、スケジュールを固めていました。
毎年10月10日前後に展開される人形町の楽しいイベントです。
水天宮様のご神徳の安産にちなみ、出産までの期間、とつきとおか(十月十日)に掛けての祭り名です。
ところが、てんてん祭実施予定日の10月13日(日)は、日本列島に甚大な災害をもたらした超大型台風の襲来により、中止になってしまったのです。
人形町の秋の恒例行事である「人形市」も、安全を考慮し中止でした。
首都圏の交通網も相当混乱していましたし、やむを得ない判断だと思います。
さて、人形町通りを歩くとき、目印になるのが「からくり櫓」。
今回は、町のシンボルにもなっているこの櫓について、着目してみました。
櫓は、二基設けられています。
水天宮側にあるのが、「江戸落語」。高さは6m50㎝。
江戸の賑わいを表す、からくりが登場です。
11時から19時までの1時間おきに動き出します。
落語の出囃子が流れると、幕がからりと開いて噺家さんが現れます。
立川談幸の声で語られるのは「人形町の由来」。
それに合わせるように、上段の絵がくるりと回ります。
天秤棒の魚屋、道具箱を担いだ大工のお兄さん、華やかな芸者さん、大店の旦那さんなど、江戸の活気を支えた人々が登場します。
もう一基は、人形町交差点側にある「町火消し」。高さは7m55㎝。
こちらは、火消し衆が回り出し木遣りが流れると、上段の絵が回転し、纏持ちが「は組」の纏を振り込みます。
江戸時代に人形町界隈は、町火消しいろは四十八組中の「は組」が受け持っていました。
そして、屋根がせり上がると、登場するのは・・・梯子乗り。
梯子(はしご)の上で技を決めています。
この人形は高い位置にあるので、写真や動画を撮っていても、気づかない人が多いのです。
ぜひ探し出して見てください。
街角に、鯨が現れた。
人形町の地名の由来は、江戸時代に人形浄瑠璃や歌舞伎小屋があり、人形遣いが多く住んでいたから、あるいは、雛人形などの人形を作って売る店が並んでいたからと言われています。
そして、人形町には「鯨」の像があるのですよ。
日本橋人形町1丁目6番、魚久本店さんの向かいの位置です。
江戸湾に鯨が現れたという記念碑でしょうか。
人形浄瑠璃文楽人形の仕掛けには、なめらかに動かすためにバネが必要で、その原料になるのがセミクジラのヒゲなのだそうです。。
からくり人形にも使われているのでしょうか。
「鯨と海と人形町」
これが鯨のオブジェにつながっていたのです。