鳩居堂で香りの世界に触れる
わくわくツアーで今回が初めての企画、「鳩居堂で香りの世界に触れる」にアテンドさせて頂きました。銀座の真ん中、和光の10時を告げる鐘とともにお店が開きます。鳩居堂の名前の由来の1つは、かつての顧客であった学者、室鳩巣が命名したと伝えられていて、中国で最も古い詩集『詩経』の一文「維鵲有巣 維鳩居之」(巣作りの苦手な鳩がカササギの巣を借りて暮らしている)から引用したとされています。
東京鳩居堂について
1663年(寛文3年)、京都で創業した鳩居堂は、都が東京へ移動したことに合わせて、引き続き宮中へも商品が届けられるようにと、1880年(明治13年)銀座に出店、今年で139年目を迎えます。香、書画用品、和紙製品(はがき、便箋、封筒など)の販売、鳩居堂画廊の運営をしています。中でも特に力を入れているのが「お香」で香りに関する様々な商品を販売しています。創業当時は薬(漢方薬)やその原料を取り扱う「薬種商」を営んでいました。薬の原料からいろいろな香りがすることが、お香を作り始めるきっかけになりました。明治10年に当時の太政大臣、三条実美から、貴族の間だけで伝えられてきた秘伝の調香法を授けられて、900年以上の長い歴史を持つ平安の香りが守り伝えられています。
聞香を体験
香炉でお香を焚いて香りを聞く体験です。東京鳩居堂の土木さんに手順を教えて頂きながら、専用の道具を使ってお香を焚きます。まず、灰が入っている器に火を起こした小さな円柱形の炭を埋め込みます。次に香炉を回しながら灰山を灰押で円錐形になるように軽く押さえていきます。灰の山に銀葉を置き、香木を乗せます。
炭で温められた香木から香りが上がってきて、静かに聞きます。やがて部屋が雅な香りに包まれました。
型押しお香の体験
もう一つの体験は型押しお香です。高橋さんに教えていただきます。タッパーの中のいろいろな香料から自分の好みの香りを選んで、乳鉢の中でレシピの分量に水を加えながら混ぜます。まとまった材料をビニールの間に挟んで、棒で伸ばします。
お菓子を作るのと同じ型で、好きな形を選んで型抜きです。
星やハート、クマの形で抜いたお香はクッキーのようです。作ったお香はお持ち帰りにして頂き、1~2日間乾燥させたら使えるそうです。
お店に入った時から日本の伝統的な香りに包まれて、優雅なひと時を過ごさせていただきました。普段はできないお香作りの体験で、お客様もとても楽しんでいらっしゃいました。平安の頃から、日本にはこんなに風流な文化があったのですね。お世話になった土木様、高橋様、ありがとうございました。
お店の情報
東京鳩居堂 銀座本店
東京都中央区銀座5-7-4
TEL 03-3571-4429
10:00~19:00 (平日・土曜日)
11:00~19:00 (日曜日・祝日)