べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 異聞 48
~ 人足寄場 ~
リモートで、愛する中央区をナビゲートします、rosemary sea です。
NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~」第46話、いよいよチーム松平定信の仕掛ける復讐の罠・暗殺計画が始動しましたね。
ところが傀儡(くぐつ)好きの一橋さまに定信さんの筆跡を見抜かれ、逆に毒饅頭攻めに遭うはめに。
このバトル、まだ続くのでしょうね。
46話に登場しました人物は、
シリーズ29蔦重、シリーズ25てい、シリーズ23喜多川歌麿、シリーズ③北尾重政、シリーズ34北尾政美、シリーズ⑬北尾政演、シリーズ28朋誠堂喜三二、シリーズ21大田南畝、シリーズ32唐来三和、シリーズ39宿屋飯盛、シリーズ43勝川春朗(のちの葛飾北斎)、シリーズ42滝沢琑吉(のちの曲亭馬琴)、シリーズ46重田貞一(のちの十返舎一九)、そしてシリーズ⑧鶴屋喜右衛門、シリーズ⑥長谷川平蔵、そしてそしてこの期に及んでのニューフェイス・中山富三郎(これからご紹介予定です)。とても多くなって嬉しい限りです。
今回は人物でなく施設として「人足寄場(にんそくよせば)」を解説させていただきます。
なお、冒頭画像より連続した6枚及び最終画像は、「石川島燈台跡」です。
それでは・・・
「人足寄場」は・・・
正式名称は「加役人足寄場(かやくにんそくよせば)」。
江戸近郊にいた無宿人のうち、捕らえられて入墨の刑などに処された者や、はたまた無罪になった者まで収容した施設、今で言う「刑務所」的な施設。
ただ、それまでの「人足」と違い、更生と職業訓練の意味合いが強い施設でしたようです。
寛政2年(1790年)、火付盗賊改方・長谷川平蔵宣以(はせがわへいぞうのぶため)が老中松平定信に建議して「石川島人足寄場」が創設されたといいます。
収容人数は当初130人ほどでしたが、のちには500人を超えることもあったそうです。
なお、石川島人足寄場は明治維新により廃止されました。
こういった施設の流れは巣鴨刑務所→府中刑務所と繋がります。
「べらぼう・・・」での「人足寄場」は・・・
第38話で松平定信さん、長谷川平蔵さんに「人足寄場」の設置を命じました。
石川島燈台跡
石川島燈台跡(佃1-11ー4先)
ー 船舶の安全を確保した「灯台」のモニュメント ー
慶応2年(1866年)石川島人足寄場奉行の清水純畸(しみずじゅんき)は、隅田川河口や品川沖を航行する船舶のため、人足寄場で生産した油絞りの益金を割き、人足の手で寄場南端に常夜灯を築かせた。
これが石川島燈台のはじまりで、六角二層の堂々とした灯台だった。
佃公園を整備する際、園内に灯台のモニュメントを建設するとともに、護岸前面に歌川広重がこの近辺を描いた、名所江戸百景「佃しま住吉乃祭」、富士三十六景「東都佃沖」、東京明細図会「佃島灯明台下汐干」の浮世絵のレリーフを設置して往時の風景を伝えている。
~ 歩いてわかる 中央区ものしり百科 より ~
江戸時代末期の佃島・石川島
(石川島燈台跡の脇にあります説明板です。)
佃島は摂津国西成郡田村(現在の大阪市西淀川区佃)の漁師達が許可を得て築造した漁村である。
家康が1582年(天正10年)、京都から堺の地に遊んだ時、本能寺の変が伝えられ、急遽踵(きびす)を返して間道を通り抜け大阪(大坂ではないかと)に向かったが、出水のため途方に暮れている時に佃村の庄屋孫衛門が多数の舟を出して一行を助け、ここに徳川家と佃村漁民の間に固い絆が結ばれることになった。
その後、家康が江戸に幕府を開くにあたり、佃村の漁師に対する恩賞として彼らに幕府の御菜御用を命ずべく、老中安藤対馬守を通じて、その出府を促し、1613年(慶長18年)には「網引御免証文」を与え、江戸近海において特権的に漁が出来るようになった。
1644年(正保元年)には現在の地に百間四方の土地を埋立てて築造し故郷摂津国の住吉神社の分霊を奉祀し、島の名を佃島と命名した。
石川島の灯台は1866年(慶応2年)、石川島人足寄場奉行清水純畸が、隅田河口や品川沖航行の船舶のため、油絞りの益金を割き、人足の手で寄場南端に常夜灯を築かせたもので六角二層の堂々たる灯台であった。
この完成を最も喜んだのは、近在漁師であった。
このたび佃公園を整備するにあたり、モニュメントとして灯台を建設するとともに、護岸前面に安藤広重の浮世絵をレリーフしたものを3題設置して往時をしのぼうとするものである。
平成元年3月 中央区環境土木部水とみどりの課
上の2画像は佃1-1-14、住吉神社です。
ー 江戸風情を伝える本祭りを3年に一度開催 ー
正保(しょうほう)3年(1646年)、摂津国西成郡佃村(現在の大阪市西淀川区)にあった住吉神社から分社して現在地に遷座した。
~ 歩いてわかる中央区ものしり百科 より ~
NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」、終わりに近づいておりますが、まだまだ微に入り細を穿(うが)ったご紹介をしてまいります。
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