Hanes

水辺をもっと身近に!
「朝潮水辺フェスタ」参加レポート


こんにちは。Hanes(ハネス)です。
10月22日、朝潮運河および東京消防庁 臨港消防署にて体験型イベント「朝潮水辺フェスタ」が開催されました。

江戸湊に接していた江戸時代より、中央区は「水の都」として人々に親しまれてきました。
現在、隅田川や運河に囲まれた佃、月島、勝どき、豊海、晴海エリアでは、水辺の活用が活発に議論され、近隣住民の方々により水辺に親しんでいただくべく様々な取り組みが行われています。
今回はその取り組みの一つである「朝潮水辺フェスタ」についてレポートします。

開会式

本フェスタは9時に晴海ふ頭公園で開幕し、来賓の辻清人衆議院議員(※辻:正確には一点しんにょう)、水の都中央区をつくる会の髙﨑泰典会長、山本泰人中央区長、朝日健太郎参議院議員から挨拶がありました。

主催団体である「水の都中央区をつくる会」は約20年前に発足し、その当時は朝潮運河周辺の防災対策に力を入れていました。
しかし、今では防災対策が進んだことから、近隣の方々により水辺に親しんでいただこうと水辺の楽しさを伝える活動も行っています。
今後は、地元の建設会社と協力し、勝どき3丁目に船着場が新設される予定で、来年はもっと気軽にレンタルボートなどで遊べる可能性を秘めたエリアです。

 水辺をもっと身近に!「朝潮水辺フェスタ」参加レポート

(左上)辻衆議院議員(右上)髙﨑会長(左下)山本区長(右下)朝日参議院議員


髙﨑会長によると、本フェスタの名付け親は、水辺を活性化しようと2年前から努めておられる山本区長。
そんな区長からは、中央区が東京都23区内で水辺の割合が最も高い区(約18%)であり、津波対策をする一方で水辺を活用し、楽しんでもらえるよう行政も共に考えていきたいとお話がありました。
そのような機会を創出するため、本フェスタをはじめ、消防・警察・企業と地域ぐるみで様々な取り組みを実施しているそうです。
今後晴海客船ターミナルは解体の上、跡地に客船受け入れのための低層で簡易な構造の施設が整備されるそうです。

そして、来賓挨拶で複数名の方が話しておられた災害時の水路の活用は、中央区民である私にとって特に印象に残りました。
急に道路が寸断されたらどうするのか... 区民の一人として知っておくべき情報ですが、毎日が安全で平和だとそこまで考えずに過ごしてしまいがち。
数寄屋橋公園内にある北村西望の彫刻「燈臺」の台座正面銘板に刻まれている「不意の地震に不断の用意」が教えてくれるように、普段から災害時の避難経路・場所についても把握しておかなければと改めて思わされました。

挨拶の後は、レインボーブリッジを背景に大型化学消防艇「みやこどり」大型消防救助艇「おおえど」による一斉放水が披露されました。

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右からみやこどり、左からおおえどが水上を進み、観客の面前で方向転換。正面を向いて大迫力の放水。
消防艇を見たのはこれが初めてで、大型船のスムーズかつ迅速な方向転換に驚きました。
どうやら360度回転する旋回式プロペラを装備しているため、その場回頭などの俊敏な船体運動が可能だとか。
いざという時にすぐに向きを変えて船の消火活動などにあたれそうですね。

 水辺をもっと身近に!「朝潮水辺フェスタ」参加レポート


開会式終了後には、参加者に協賛企業や関連施設のパンフレットなどの入った袋が配布されました。
「豊海おさかなミュージアム」は前々から気になっているので、今年中に訪れてみたいと思っています。

体験・展示イベント

開会式の後は、臨港消防署敷地内で開催されている「防火防災フェス」へ。
歴代の消防艇やこれまでの災害救助活動の様子をまとめたパネル展のほか、火災のVR体験、消防艇・消防車の見学、地震・煙体験、救助隊の訓練披露と盛りだくさんのラインナップ。
お子さま連れのご家族をはじめ、多くの方が楽しみながら防災や消防署の役割について学んでいました。
(余談ですが、VR体験車のナンバーが「119」でした!)

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10時半からは救助隊の訓練を見学してきました。
普段から非常時に備えてこうして訓練を怠らない救助隊の方々がいらっしゃるおかげで、災害が未然に防げたり、被害を最低限に抑えられたりしているのですね。
平和で安全な日常の実現のために尽力されている方々に改めて感謝の意がわきました。

 水辺をもっと身近に!「朝潮水辺フェスタ」参加レポート


続いては、防災船朝潮運河と隅田川のクルーズに参加しました。
定員40名のこの防災船は、災害時に水上輸送手段ともなる「水の都中央区」にとっては重要な交通手段。
オレンジ色のクッションは、単に座り心地をよくするだけのものではありません。
実は小型船舶用救命クッションで、緊急時に備え常備されています。

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船に乗り込んでからは、約30分かけてゆったりとした水上の旅を楽しみました。
他の参加者の方同様、小型船なので結構揺れるのではと危惧していましたが、意外と安定しており酔うこともありませんでした。

朝潮運河上を通るのは、2019年の夏に実施された東京都舟運社会実験「真夏のらくらく舟旅通勤」以来2度目。
(11月4日までは、より航路が充実した「らくらく舟旅通勤 第2弾」実施中です。)
隅田川クルーズと異なり、小型船が停泊する下町の雰囲気が残る月島エリアや水門も通過し、普段とは異なる目線で中央区の街を眺めることができました。

クルーズ中および臨港消防署の敷地内より、ウォータータクシー電気ボート、実演中のディンギー(マスト1本の船室をもたない小型ヨット)、無料体験乗船会が実施されていた20人乗りのドラゴンボートも目に入りました。

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こうして中央区周辺の水上を実に様々な種類の船が行き来しているのは、江戸時代も令和の今も変わらない風景。
江戸時代に交通・食料調達手段から娯楽手段へと活用の幅を広げた船は、今や災害時の輸送手段にもなっています。
造船技術の発展により船は随分と変わりましたが、江戸時代に現・中央区で暮らしていた人たちにとって、水辺がいかに身近な存在だったのかこれまで以上に理解できたように思います。

最後に、一斉放水時に活躍した消防艇「みやこどり」内部を見学してきました。
放水の際に使用された放水砲は間近で見ると圧倒される大きさ。

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水上の安全を祈願し、消防艇内には神棚も設置されていました。
操縦・通信室、ミーティングルームの他、大規模災害に対応できるよう備えられた救急処置用ベッドもありました。
さらに、ヘリコプター用の緊急救助用スペースも設けられており、機能性が高く、異なる事案に臨機応変に対応できそうな印象を受けました。

 水辺をもっと身近に!「朝潮水辺フェスタ」参加レポート


帰り際には、本フェスタを後援している朝潮運河ルネサンス協議会のご担当者様ともお話しする機会がありました。
地元コミュニティと共同し、朝潮運河周辺の活性化を目指しているそうです。
水辺に親しめるイベントの実施を検討しているとのことで、今後も朝潮運河周辺から目が離せません!

2019年の記事「気分は英国!?朝潮運河のすすめ」でもご紹介した通り、朝潮運河周辺の雰囲気は少し英国に通ずるものがあると思っています。
これからますます活性化する朝潮運河周辺の状況は、今後も随時本ブログでご紹介していきたいと思います。

取材および本記事の執筆にあたり、快くご協力いただきました「水の都中央区をつくる会」および「朝潮水辺フェスタ」関係者の皆様に御礼申し上げます。