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2025 新春の香気馥郁たる「素心蠟梅」綻びる

 2025 新春の香気馥郁たる「素心蠟梅」綻びる

 厳冬期のまだまだ花数の少ない季節ですが、浜離宮恩賜庭園 潮入の池の畔の一角では、温かな陽光を浴び「素心蠟梅(ソシンロウバイ)」の蕾が開き始め、静謐で穏やかな芳香が漂っています。       蠟梅(ロウバイ)は中国原産のロウバイ科の落葉低木。        中国では山茶花(茶梅)、梅(玉梅)、水仙とともに「雪中四友(花)」の一つに数えられ、早春の画題として好まれ、江戸時代初期に日本に渡来したと伝わります。                   「蠟」の由来について通説では、半透明で鈍い艶のある花被片を蜜蠟に見立て、臘月(陰暦12月の別称)に咲くことに因み、バラ科のウメ同様寒い時期に開花し、香りが強く花柄が短く花が枝に纏まって付くといった類似点から植物学上は種は異なるが「梅」の名がついたとされます。                        基本種のロウバイは外側の花被片は淡黄色、内側の花被片は茶褐色ですが、ソシンロウバイは花被片全体が鮮やかな黄色で可憐な花をやや俯き加減に咲かせます。                    上品で清々しい香りは、リナロール、ボルネオール、シネオールなどの精油成分由来とされ、ニホンスイセンの香りにも似ています。                                 庭木としてだけでなく、生け花、茶花、盆栽、鉢植えなどにも利用されています。