2月7日(金)・8日(土)に「第1回 プレミアム和酒フェス in 日本橋」が日本橋兜町「KABUTO ONE」で開催されました!

「新川」を起点に特派員活動をしている「New River」です。
2月7日(金)・8日(土)に先月のブログ(2025年1月12日公開)でご案内した「第1回 プレミアム和酒フェス in 日本橋」(以下「プレミアム和酒フェス」といいます)が日本橋兜町「KABUTO ONE」で開催され、両日参加してきました。
そこで、今回のブログは「プレミアム和酒フェス」の熱気あふれる会場の様子をお伝えしたいと思います。
※ トップ画像は「プレミアム和酒フェス」出展の酒蔵関係者の皆さま。この後、主催者様のご挨拶に続いて参加者全員による乾杯が行われました。
「プレミアム和酒フェス」とは…

先月のブログでもご案内しましたが、「プレミアム和酒フェス」とは、東京と大阪で春夏秋に開催される利き酒祭り「和酒フェス」の屋内版です。
「プレミアム和酒フェス」のテーマは「季節を感じながら、旬の和酒や食、地域、日本文化を楽しむ、少しリッチな利き酒祭り」です。
そして、今回第1回は、“伝統的酒造り" のユネスコ無形文化遺産登録を記念して開催されました。
会場は、東京メトロ茅場町駅(東西線・日比谷線)直結の「KABUTO ONE」4F ホール&カンファレンスで、全国およびハワイから27蔵1団体の出展(ブース単位、以下同じ)がありました。
入場チケットを事前購入し、暖かい会場の中でグラスを片手に少しリッチな気分で全国のおいしい和酒、冬限定の和酒、特別な和酒の飲み比べを楽しみました。
【開催概要】
日時:2025年2月7日(金)(第1部:15:00~17:00、第2部:18:00~20:00)
2025年2月8日(土)(第1部:12:00~14:00、第2部:15:00~17:00)
場所:「KABUTO ONE」4F ホール&カンファレンス(東京都中央区日本橋兜町7-1)
出展蔵数:全国およびハワイから27蔵1団体
配布物:グラス、パンフレット(マップ、銘柄リスト)など
料金:通常チケット ¥ 6,000(税込)
プレミアムチケット ¥10,000(税込)
外国人専用チケット ¥7,000(税込)
VIPルーム利用 ¥100,000(税込)
主催:和酒フェス実行委員会
共催:(一社)日本橋兜らいぶ推進協議会
後援:国税庁、観光庁
協力:平和不動産株式会社
公式HP: https://sakefes.com/premium01
では、私が訪ねた酒蔵ブースを「プレミアム和酒フェス」パンフレット掲載順にいくつかご紹介したいと思います。
千曲錦酒造[長野県]/千曲錦(ちくまにしき)
![千曲錦酒造[長野県]/千曲錦(ちくまにしき) 2月7日(金)・8日(土)に「第1回 プレミアム和酒フェス in 日本橋」が日本橋兜町「KABUTO ONE」で開催されました!](/img_data/CBLOGIMG5611_3_1.jpg?20250219093612)
天和元年(1681)創業の長野県佐久市にある酒蔵で、主に長野県の酒造好適米である「美山錦(みやまにしき)」と、旅と酒を愛した放浪の俳人「種田山頭火(たねださんとうか)」が愛でた、浅間山天然伏流水を使って酒造りをしているそうです。
いただいたお酒は「プレミアム和酒フェス」パンフレットを見る限り、出品されている120種類以上の中で最も高価な「秘蔵酒 純米大吟醸 タンクNo16」(720ml、33,000円)でした。2013年に全国新酒鑑評会で金賞を受賞したお酒の熟成酒ということで、グラスに注がれたそのお酒は金色を呈し(思っていたほど濃い色ではなく)、口当たりは古酒独特のとろりとした感じではなく、きちんと温度管理されながら長期熟成された、ふくよかでまろやかなスペシャルなお味でした!
実は千曲錦酒造さんとはご縁があって、2023年5月に長野旅行をしたとき、長野駅の駅ビルでお土産を探していたところ、同酒造の販売コーナーがあり、そこで営業されていたのが今日いらっしゃっていた方でした。このような形でまたお会いできるとは思ってもいませんでした。
【酒蔵情報】
住所:⻑野県佐久市⼤字⻑⼟呂1110番地
電話:0267-67-3731
福井酒造[愛知県]/四海王(しかいおう)
![福井酒造[愛知県]/四海王(しかいおう) 2月7日(金)・8日(土)に「第1回 プレミアム和酒フェス in 日本橋」が日本橋兜町「KABUTO ONE」で開催されました!](/img_data/CBLOGIMG5611_8_1.jpg?20250219093612)
明治45年(1912)創業の愛知県豊橋市にある酒蔵で、「山田錦」「夢吟香(ゆめぎんが)」「夢山水(ゆめさんすい)」などの酒造好適米と、地下を流れる豊川・天竜川の伏流水を使って酒造りをしているそうです。
「四海王」は、太平洋、日本海、東シナ海、オホーツク海が取り囲む日本の絶対的な存在の酒を醸し、世界一の蔵元になるという想いが込められています。
実は「プレミアム和酒フェス」最初の一杯は2日間ともこちらの福井酒造さんのお酒でした。というのは、冒頭に参加者全員がステージ付近に集まって乾杯を行うのですが、同酒造のブースはステージに一番近いベストポジションにあるので、「四海王」がその日一番にいただく乾杯酒となったのです。そして、会場を一回りするたびにこちらで一休み、その都度色々なお話をしながらお酒をいただいていました。
何回りかしてまたこちらで休んでいると、上の写真に写っている真っ赤なパッケージが目に入り、そのお酒(有料試飲(+1,000円)の「蝉蔵 CICADA スパークリング」)をいただこうかどうか迷っていたら、「代金はあちらの方が払ってくれましたよ」と…。振り返ってみると、背後に渋いイケメンの男性が…。「私はこちらのお酒が大好きで、ぜひそのおいしさを味わっていただきたい」とまた渋い声で一言。えっ?と思いましたが、これは感動的サプライズ! なんて粋な方でしょう! ここは遠慮なくいただくことにしました。
その泡酒はシャンパンと同じ製法(瓶内二次発酵)で造られ、口に含むと、きめ細かな泡とともに、お米の優しさと柔らかな甘酸っぱさが口中に広がります。そして改めてお礼を言おうと振り返ってみると、その男性の姿はもうありませんでした。
会場をまた一回り、こちらのブースに戻ってくると、素敵な女性が立っていました。次の瞬間、さっき御馳走していただいた泡酒を、今度は私が御馳走しよう! そう思ってすぐに行動に移しました。一緒に参加していた友人も合流し、その場が盛り上がってくると、何とその方は私の友人の名前を知っているではありませんか…。それは、友人がインバウンド向けのツアーガイドをやっていて、
世間ってホント狭いですね~。いやそれ以上に男性に泡酒をご馳走していただかなかったら、こういうことは起こらなかったと思うと、つくづくご縁は大切にしないといけないなと思いました。
【酒蔵情報】
住所:愛知県豊橋市中浜町214番地
電話:0532-45-5227
公式HP:https://www.fukui-syuzo.co.jp/
※ 上の画像は、MCの島田律子さん(日本酒スタイリスト、タレント)とゲストの寺崎千波さん(2024 Miss SAKE 準グランプリ)とご一緒に(主催者様からご提供)。
宮﨑本店[三重県]/宮の雪(みやのゆき)
![宮﨑本店[三重県]/宮の雪(みやのゆき) 2月7日(金)・8日(土)に「第1回 プレミアム和酒フェス in 日本橋」が日本橋兜町「KABUTO ONE」で開催されました!](/img_data/CBLOGIMG5611_9_1.jpg?20250219093612)
弘化3年(1846)創業の三重県四日市市にある酒蔵で、「山田錦」「愛山(あいやま)」「雄町(おまち)」などの酒造好適米と、鈴鹿山系の清い伏流水を使って酒造りをしているそうです。
宮﨑本店さんといえば、お酒が好きな人なら(焼酎好きなら)皆知っている、あの「キンミヤ」(亀甲宮焼酎)を造っている酒蔵で、その酒蔵が日本酒も造っているのを私が知ったのは割と最近のことでした。
日本酒代表銘柄の「宮の雪」は、伊勢神宮と宮﨑本店という家号に因んだ「宮」、鈴鹿連峰の山並みに積もる「雪」を由来としています。
ブースには「山田錦」「愛山」「雄町」を使って醸した「宮の雪」(純米吟醸酒)が並べられていたので、それぞれ飲み比べをさせていただきました。
「山田錦」は全体的にとても穏やかでフルーティーな味わい、「愛山」はバランスの取れた上品な旨味とフルーティーな香り、「雄町」は華やかな吟醸香と酒米由来の味のふくらみが特徴ということを教えていただき、それらの違いを楽しみました。
宮﨑本店さんの東京支店は新川にあるので、改めてまたこのブログでご紹介できればと思っています。
【酒蔵情報】
住所:三重県四日市市楠町南五味塚972番地
電話:059-397-3111
河津酒造[熊本県]/花雪(はなゆき)
![河津酒造[熊本県]/花雪(はなゆき) 2月7日(金)・8日(土)に「第1回 プレミアム和酒フェス in 日本橋」が日本橋兜町「KABUTO ONE」で開催されました!](/img_data/CBLOGIMG5611_12_1.jpg?20250219093612)
昭和7年(1932)に熊本県阿蘇郡小国町にある酒蔵を、事業承継の形で譲り受け、酒造りが始まったといいます。
「山田錦」「一本〆(いっぽんじめ)」などの酒造好適米と、阿蘇の湧水(筑後川源流の清冽な天然湧水)を使って酒造りをしているそうです。
九州といえば、焼酎というイメージがありますが、今回の「プレミアム和酒フェス」では、熊本県から2蔵、佐賀県から1蔵の出展がありました。
その中でこちらの河津酒造さんを訪ね、いただいたお酒は “きょうかい9号酵母”(公益財団法人 日本醸造協会で頒布している酵母の一つで、熊本県酒造研究所「香露」より昭和28年(1953)に分離)と “きょうかい1801号酵母”(同じく同協会頒布の酵母で、平成18年(2006)に分離)で醸した「純米大吟醸 七歩蛇(しちほだ)」でした。
“七歩蛇“ とは、日本に伝わる妖怪の名前で、この蛇に噛まれると毒で7歩歩く間に死んでしまうといわれます。そこから、ノックアウトされるほど飲みやすくて旨い酒、という蔵元の想いが込められて命名されたそうです。
そのお酒は、熊本県・小国町(おぐにまち)産の酒米「一本〆」を35%まで磨き上げ醸した、河津酒造さん最高傑作の純米大吟醸だそうです。華やかな香りとしっかりとしたボディ、そしてキレがあり、まさにノックアウトされそうなおいしさでした!
【酒蔵情報】
住所:熊本県阿蘇郡小国町宮原1734-2
電話:0967-46-2311
ISLANDER SAKE BREWERY[USA・ハワイ島]/ISLANDER SAKE(アイランダー サケ)
![ISLANDER SAKE BREWERY[USA・ハワイ島]/ISLANDER SAKE(アイランダー サケ) 2月7日(金)・8日(土)に「第1回 プレミアム和酒フェス in 日本橋」が日本橋兜町「KABUTO ONE」で開催されました!](/img_data/CBLOGIMG5611_16_1.jpg?20250219093612)
こちらは「プレミアム和酒フェス」のために遠くハワイからやってきた ISLANDER SAKE BREWERY さんです。
同 BREWERY(醸造所)は、全米に25ある酒蔵の多くが加盟している「北米酒造同業組合(
元々ホノルルに店があったそうですが、お付き合いのあったハワイ島・マウナ ケア リゾートのホテルからお話があり、現在、併設のゴルフ場(ハプナゴルフコース)のクラブハウスで、日本酒を醸しているそうです。何と素晴らしい環境でしょう!
早速「ISLANDER SAKE」をグラスに注いでいただきました。口に含むと、う~ん、これぞハワイ! ほのかにパイナップルの香りがします。なにか甘いものと一緒にデザート酒としても美味しくいただけそうな日本酒(ハワイ酒?)でした。いつの日か現地で潮風に吹かれながら飲んでみたいものです。
【酒蔵情報】
住所:Mauna Kea Resort Hapuna Golf Course 62-100 Kauna'oa Drive, Kamuela, HI 96743
公式HP:WWW.ISLANDERSAKE.COM
※ 上の画像は、ISLANDER SAKE BREWERY のお二人。カメラを向けると、「アロハ」を意味する指ポーズ(hang loose)をとってくれました!
長期熟成酒研究会

長期熟成酒研究会は、熟成古酒の製造に関する技術交流と市場の開発を目的とした、酒造会社による任意団体として昭和60年(1985)に設立されたといいます。
グラスに注いでいただいたそのお酒は、琥珀色の輝きを放ち、それはまさに洋酒(シェリー酒?)のような味わいでした。私は日本酒といえば、これまでフレッシュなもの(特に新酒)を中心に飲んできましたが、今日ここで日本酒の多様性を実体験し、日本酒に対する考え方を改める必要があるなと思いました。
ということで、今春、4月5日(土)・6日(日)に「熟成古酒ルネサンス2025 日本酒の熟成古酒を楽しむ会」が赤煉瓦酒造工場(東京都北区滝野川2-6-30)で開催されるので、色々と勉強してきたいと思います (^^)/
ところで、赤煉瓦酒造工場といえば、明治37年(1904)5月に創設された大蔵省醸造試験所の清酒醸造試験工場(国の重要文化財。現在は前述の日本醸造協会が管理)として設立されましたが、その設計は、日本橋の装飾(麒麟と獅子のブロンズ彫刻のデザイン)を担当した妻木頼黄(つまきよりなか)が行っているのです。
当日は、全国から低温熟成古酒・常温熟成古酒などが集結するそうです。古酒好き、古酒にご興味のある方はもちろん、歴史ファンの皆さまも、この貴重な建物の見学を兼ねてお出かけされてはいかがでしょうか。
なお、長期熟成酒研究会の事務局でもある「長期熟成酒研究会アンテナショップ『熟成古酒処』」(港区新橋2-21-1 新橋駅前ビル2号館 B103-5)を訪ねれば、全国さまざまな熟成古酒に出会えます!

「プレミアム和酒フェス」の後、「熟成古酒処」を訪ね、さまざまな熟成古酒を味わってきました!
「伝統的酒造りセミナー(日本酒は “世界酒” を目指す! 伝統的酒造りのユネスコ登録の意義)」にも参加しました!

2日目の「プレミアム和酒フェス」で「伝統的酒造りセミナー(日本酒は “世界酒” を目指す! 伝統的酒造りのユネスコ登録の意義)」にも参加しました。講師は酒サムライ外交官の門司健次郎(もんじけんじろう)氏です。
門司氏は40年以上外交官として世界各国を渡り歩き、外交での日本酒の活用を推進、いわゆる「日本酒外交」を展開され、平成20年(2008)に「酒サムライ」(日本酒の素晴らしさを国内外に広めることに貢献している方々に対し、日本酒造青年協議会が叙任する称号)に叙任されています。
セミナーは、日本酒外交の説明から始まり、ご自身が世界各国で実際に展開された日本酒外交のご紹介、伝統的酒造りのユネスコ登録の意義など、30分という短い時間ではありましたが、大変内容の濃いものでした。
今般のユネスコ無形文化遺産登録は、酒蔵さん、酒造メーカーさん、酒問屋さん、酒屋さんなどのご努力はもちろんですが、門司さんのような方が世界各国で日本酒をアピール・発信されてきたからこそ、今日の日本酒があるのだと腹落ちした次第です。
おわりに

「プレミアム和酒フェス」出展酒蔵27蔵1団体のうち、この2日間で訪ねたブースは16蔵1団体でした。そして、今回のブログでご紹介したのは5蔵1団体。時間の関係ですべての酒蔵さんを訪ねることができず、また、紙面の関係で訪ねた酒蔵さんをすべてご紹介できなかったのがとても残念です。申し訳ございません。
考えてみれば、これだけの酒蔵さんのお酒を好きなだけいただけるのは奇跡といっても過言ではありません! 飲めば飲むほどお得になる「(プレミアム)和酒フェス」、ぜひまた体験したいなと思いました。
次回の企画は、3月29日(土)・30日(日)に、桜で有名な目黒川近くの中目黒GTタワー前広場で開催される「和酒フェス」(公式HP:https://sakefes.com/)となります。テーマは「『伝統的酒造り』ユネスコ無形文化遺産登録記念! 桜満開! フレッシュな季節のお祝い酒を探そう! 新酒、生酒、スパークリング、プレミアム酒で花見酒を楽しもう!」だそうです。皆さま、お花見を兼ねてお出かけされてはいかがでしょうか。
日本酒の消費量は昭和48年(1973)のピーク時から3割以下まで減少しています。日本酒は「國酒」です。ユネスコ無形文化遺産登録を追い風に日本酒を飲んで学び、日本の風土・文化をさらに深耕・醸成しようではありませんか。
※ 上の画像は「プレミアム和酒フェス」を盛り上げていらっしゃった、ゲストの寺崎千波さんと宮澤麗さん(2024 Miss SAKE 準グランプリ)。

「KABUTO ONE」1階・アトリウムでは、能登半島地震で被災した酒蔵を応援するチャリティーイベント!「飲んで応援!能登の地酒」も同時開催されました。