浜ちゃん

築地場外市場、「なぜ、こんなところにお寺が?」《ナゾ解き編》 
浮世絵に描かれた中央区の名所(9) ~「江戸名所図会 西本願寺」~

前回のブログで、築地場外市場のお寺を紹介させて頂きました。今回はその続きで、浮世絵(挿絵)をヒントに、築地場外市場になぜお寺が多いのか、そのナゾを解いていきます。

築地本願寺

今回のブログは前回(↓)の続きで、「築地場外市場になぜお寺が多いのか」《ナゾ解き編》です。

https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=7016

 

タイトル画像は、61日に撮影した築地本願寺で、普段は空いている駐車場が、黒塗りの車でいっぱいでした。テレビでも放映されていましたが、この日は、日本赤十字社の名誉社長の告別式が執り行われており、天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが、築地本願寺を訪問されました。

築地本願寺は、もともとは、日本橋横山町にありましたが、明暦の大火で全焼したため、築地へ移転しました。当時の築地は隅田川河口の干潟であり、佃島の漁師たちが土地を埋め立てて、「干潟に築かれた土地」というのが築地の地名の由来になっています。

築地本願寺は、まさに築地の町発祥の寺院なのです。

江戸名所図会 「西本願寺」

江戸名所図会 「西本願寺」 築地場外市場、「なぜ、こんなところにお寺が?」《ナゾ解き編》 
浮世絵に描かれた中央区の名所(9) ~「江戸名所図会 西本願寺」~

(出典:国立国会図書館デジタルコレクション)

築地本願寺は、京都にある西本願寺の別院で、絵の右上に記載されているタイトルの「西本願寺」は、築地本願寺のことです。なお、「江戸名所図会(えどめいしょずえ)」は、江戸時代後期に刊行された、絵入りの江戸の名所案内で、現代の観光ガイドマップのようなものです。

 築地場外市場、「なぜ、こんなところにお寺が?」《ナゾ解き編》 
浮世絵に描かれた中央区の名所(9) ~「江戸名所図会 西本願寺」~

絵には、築地本願寺の「本堂」(絵の①)が描かれており、その先には、「手水や」(絵の②)、さらにその先には「唐門」(絵の③)があります。そして、唐門の先の表参道(絵の④)の左右の寺中には、多くの寺が描かれています(絵の⑤)。

築地場外市場、「なぜ、こんなところにお寺が?」《ナゾ解き編》

先ほどの「江戸名所図会」の絵を参考に、江戸時代の地図で位置関係を確認してみると。。。

 築地場外市場、「なぜ、こんなところにお寺が?」《ナゾ解き編》 
浮世絵に描かれた中央区の名所(9) ~「江戸名所図会 西本願寺」~

(出典:中央区沿革図集)

本堂は、隅田川を左手にみて、南西向きに建てられています。表参道も南西に向かって延びており、その両側には、築地本願寺の60近くある末寺によって門前寺町が形成されています。

次に、現在の地図で位置関係を確認してみると。。。

 築地場外市場、「なぜ、こんなところにお寺が?」《ナゾ解き編》 
浮世絵に描かれた中央区の名所(9) ~「江戸名所図会 西本願寺」~

現在、築地本願寺は、隅田川を背にして北西を正面にして建っており、江戸時代と比べると、正面が90度右に回っています。

 

さらに調べてみると。。。

大正12(1923)年に起きた「関東大震災」で、築地本願寺と門前寺町が焼失しました。関東大震災後の復興区画整理で、築地本願寺の門前寺町にあった多くの末寺は、世田谷や杉並などに移転しました。そして、その跡地には、日本橋にあった魚市場が移転してきました。

幻となってしまいましたが、晴海の埋立地を利用して、昭和15(1940)年に万国博覧会が開催される予定でした。万国博覧会に向けて、晴海と都心を結ぶ新たな幹線道路 (現・晴海通り)が通されました。この結果、築地本願寺と門前の寺町は分断されることになりました。現在の築地本願寺の建物は、伊東忠太が設計し、昭和9(1934)年に再建されましたが、道路の新設が影響して、本堂は北西に90度向きを変えたと言われています。

 

まとめると、築地場外市場は、江戸時代から関東大震災までは、築地本願寺の正面に位置し、多数の寺によって門前寺町が形成されていたのです。その名残が、今も築地場外市場に残っています。

【過去ブログ、参考資料・出典】

このブログのシリーズのタイトルは、分かりやすく「浮世絵に描かれた」としていますが、浮世絵に限らず、挿絵などもご紹介させて頂いております。

●過去ブログ:

(1)「東海道五拾三次 日本橋 朝之景」:歌川広重 https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=6517

(2)「名所江戸百景 京橋竹がし」:歌川広重 https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=6510

(3)「名所江戸百景 するがてふ」:歌川広重 &【イベントのお知らせ】215日(日)まで「日本橋イルミネーション~こころ躍るNIHONBASHI」と「カナエルNIHONBASHI202526」開催中、残り期間わずかです! https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=6519

(4)「名所江戸百景 びくにはし雪中」:歌川広重 &【ショップのご紹介(バレンタインギフトも!)】茨城県のアンテナショップ 「IBARAKI sense(イバラキセンス)」 https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=6590

(5)「名所江戸百景 日本橋雪晴」:歌川広重 https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=6594

(6)「浮絵駿河町呉服屋図」:歌川豊春 &【三越アーカイブス日本橋】「佐藤玄々と天女像」展示(~324()) https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=6703

(7)「冨嶽三十六景 江戸日本橋」:葛飾北斎 &浮世絵を手に、日本橋の未来を覗いてみませんか https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=6630

(8) 「名所江戸百景 両国橋大川ばた」:歌川広重 https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=6639

 

●参考資料・出典(ホームページ含む):

中央区、中央区観光協会、歩いてわかる中央区ものしり百科、Central Tokyo for Tourism(東京中央区オフィシャル観光ガイド)、中央区立図書館、国立国会図書館、東京国立博物館、国立文化財機構、東京都立図書館、東京都立博物館、ColBase、中央区沿革図集、神奈川県伊勢原市、東京建物

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