浮世絵に描かれた中央区の名所(3)
~「名所江戸百景 するがてふ」: 歌川広重~
&【イベントのお知らせ】2月15日(日)まで「日本橋イルミネーション~こころ躍るNIHONBASHI」と「カナエルNIHONBASHI2025-26」開催中、残り期間わずかです!
写真は、日本橋三越本館(左)と三井本館(右)、その間にある「江戸桜通り」です(富士山は合成)。江戸時代には、正面に富士山を眺めることができ、広重の、「名所江戸百景 するがてふ」に描かれています。
「名所江戸百景 するがてふ」: 歌川広重
(出典:国立国会図書館)
江戸時代には、「するがてふ(駿河町)」から正面に、富士山を眺めることができました。
1590年、徳川家康は、豊臣秀吉に命じられて、駿河から関東へ移封して来ました。未開の土地だった江戸へ、家康とともに駿河の人々が移り住んできて、この地に住んだことから、駿河町となったと言われています。駿河町は、「土一升金一升」と言われるほど、土地代が高く、角地ともなればなおさらでした。
広重の絵には、通りの両側に店を構える三井越後屋が描かれており、右側が絹問屋、左側が太物・錦物の店です。暖簾には、「丸に井桁三」のマークが描かれており、丸は天、井桁は地、三は人を表し、「天地人」を意味しています(絵の①)。
旅装束で歩く人が描かれていますが(絵の②)、これは、お江戸見物のお上りさんで、ショッピングストリートで買い物をしています。
絵の左下に、大きな荷物を背負っている人物が描かれています(絵の③)。これは、越後屋の奉公人が、お客様が店内で買った品を、お屋敷に届けにいくところを描いたものでしょう。
「江戸之下町復元図」(上図、出典「中央区沿革図集」)をみると、現在もそうですが、日本橋で道が「く」の字に曲がっていることが分かります。これは、駿河町から正面に富士山と江戸城が見えるように設計されたため、と言われています。
また、三井越後屋の裏、広重の絵の雲で隠れているところに(絵の④)、金座(金貨鋳造所)がありました。金座の跡地には、明治29年(1896年)、日本銀行本店が建てられました。
日本銀行の建物を上から見ると、「円」の形に見えるため、日本の通貨である「円」を表していると言われることがあります。しかしながら、建物竣工当時、日本の通貨は旧字体の「圓」が用いられており、現在の「円」の表記が用いられるようになったのは戦後のことです。「浜ちゃん」が日本銀行を見学した際にも、「円の字型の平面形状を意図したものではない」、との説明がありました。
(画像出典「日本銀行」)
「日本橋イルミネーション2025~こころ躍るNIHONBASHI~」
「カナエルNIHONBASHI2025-26」
上の画像は、広重の絵と同じ場所の夜景です。
2025年11月20日~2026年2月15日の期間、「日本橋イルミネーション~こころ躍るNIHONBASHI」が開催中です。三井本館や、COREDO室町など、日本橋を象徴する建物や通りを含む街全体がイルミネーションで彩られます。
今年は、人々の願いを“叶える”開運イベント、「カナエルNIHONBASHI2025-26」も同時期に初開催されており、COREDO室町テラスの大屋根広場に「麒麟ゴーラウンド」が設置されています。
【過去ブログ、参考資料・出典】
●過去ブログ:
(1)「東海道五拾三次 日本橋 朝之景」:歌川広重
(2)「名所江戸百景 京橋竹がし」:歌川広重
●参考資料・出典(ホームページ含む):
中央区、中央区観光協会、歩いてわかる中央区ものしり百科、Central Tokyo for Tourism(東京中央区オフィシャル観光ガイド)、中央区立図書館、国立国会図書館、東京国立博物館、国立文化財機構、東京都立図書館、東京都立博物館、ColBase、中央区沿革図集、神奈川県伊勢原市、東京建物
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